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【フジロック23の歩き方 DAY3】世界の音楽が苗場に集結する
2023.06.30 Fri
7月30日(日)
最終日のヘッドライナーはリゾ。従来のフジロック基準でいうとちょっとしたサプライズなのかもしれない。プラスサイズの女性の痛快な自己肯定感と相反する心無いアンチたちとのSNSでの誹謗中傷と真っ向勝負するファイターとしての属性、それに加えて彼女のタイムレスなディスコ、ファンク・ミュージックの楽しさも相まって、ある意味一番ロックな存在。新しい時代のフジロックに相応しいアイコンの起用だと思う。
リゾ@GREEN STAGE/ウーマン・エンパワーメントで社会を動かすポップ・スター。シンガー、ソングライター、ラッパー、女優など、さまざまな顔を持ち、ポップ・ミュージックのサウンド、文化、スピリットに変革をもたらしてきた。今年のグラミー賞では年間最優秀レコードを受賞。7月15日にセカンド・フルアルバムをリリース予定。
そして見逃せないのがブラック・ミディ。アヴァンギャルド、プログレ、アート・ロックなど音楽ジャンルの語彙がまったく追いつかず「百聞は一見にしかず」としか言いようがないUKロックの最先端を行くグループ。その他にもクラシック・ロック好きの不足分を補ってくれるだろう。ブルー・アイド・ソウルの新たな才能、ニール・フランシスや、ユーモラスな言葉が武器のポスト・パンクバンド、ヤード・アクトなど再定義された新たなロック・ミュージックの激戦区がこの最終日となる。
ブラック・ミディ@WHITE STAGE/2017年にロンドンで結成。マスロック、プログレッシブ・ロック、ポストパンクなどのジャンルを融合させた実験的かつアグレッシブなサウンドを追求している。2022年には3rdアルバムをリリース、12月には来日ツアーを行った。UKロック・シーンの新たな希望として、存在感は大きくなり続けている。
フジロックでお馴染みのビッグネームも元気だ。まずはウィーザー。ここ数年でも2021年に2枚のアルバム、昨年はEPシリーズとして春夏秋冬をテーマにした計28曲の大作をリリースとクリエイティブの面でもキャリア最盛期を迎えているなかでのパフォーマンスとなる。同じくコロナ禍において精力的なアウトプットを続けていたベテラン、Gラヴ & ドノヴァン・フランケンレイターのふたりは旧知のメンバーを加えた4人組のツアーバンドというスタイルで出演。互いの音楽性を融合しつつ即興性あるステージが楽しめそう。
最後にジャズからアンビエントまで内包したサウンドが魅力のプロデューサー/ミュージシャンでLAシーンのキーパーソンのひとり、ジョン・キャロル・カービー率いる気鋭のミュージシャンを率いたフルバンドセットを野外で見るのは壮観だと思う。
ジョン・キャロル・カービー@RED MARQUEE/LA出身の鍵盤奏者/プロデューサー/作曲家。ジャズ〜ソウル/R&B〜アンビエント〜ニューエイジ〜エレクトロニカなど多方面の音楽リスナーから注目を集めている。6月にソロアルバムのリリース。LAの新進気鋭ミュージシャンを招集したフルバンドセットでフジロックに登場する。
Text = Hideki Hayasaka
●『FESTIVAL ECHO』 配布場所 は岩盤、TOWER RECORDS、KEEN、CHUMS、LOGOS、OSHMAN’S、アルペンアウトドアーズ、WILD-1など販売店 ※一部店舗を除く/随時配布