- 料理
米炊きに失敗!! でも、失敗は成功のもと。オイシいエスニック風リゾットできました。
2014.06.10 Tue
宮川 哲 編集者
山での米炊きに失敗した経験のある人、そこそこ居るのではないでしょうか。水の加減だったり、火の加減だったり、山の上では標高が高いだけに沸点が違ったりして、なかなかムズカしいんですよね。
で、じつのところ、やっちまった訳です。オイシく炊けるはずの米が、芯の残ったガンタ米に(ガンタ米、ガンタ飯は山用語。芯飯のことです)。もちろんアルファ米ではなく、生米からの調理だったのですが、米担当が火に掛けるときに、水を入れ忘れたと言うんです。
米を洗って水を流してを繰り返すうちに、肝心の最後の水を入れ忘れたというのだから、手に終えません。この米担当が後にどうなったのかはともかく、でき上がった芯飯を前に、お腹を空かせた山仲間たちが考えついた対処法は……。
1.そのまま貪る(なんと言っても生米なので、栄養満点、お腹の足しにもなります。硬ささえ我慢すれば、山だからと割り切れれば、それでよし!)
2.改めて水を加えて、じっくりと煮詰める(ただ一度、ガンタ米になってしまうと、リカバリーはムズカしいんです。米粒が糊化しちゃってますので、米粒に水の入る余地がない!)
3.リゾット風にして、なんとかごまかす
と、対症法が3つ。でも、山ごはんの楽しみは、山行に占める割合の大きいイベントです。1.はどうしても我慢ならん、と一同。2.については、そもそも無理。できたとしても、味気ないなぁ。燃料がもったいないよね。そして残ったのが3.でした。
この案が生まれた背景には、みなで持ち寄った食材の中に、調理済みグリーンカレーのパックが発見されたため。
これ、以前にAkimamaでも紹介したことのある「Roi Thai」の紙パックのシリーズのひとつです(該当記事はコチラ)。1パック2人分で200円もしないので、山でグルメを楽しみたい人にオススメしたいのですが、コイツが実力あるんですよね。
いわゆるグリーンカレーのペーストが、ココナッツミルクに混ざり合った具合でパックされているのです。レモングラスにガランガル、カフィアライムピールにコリアンダーシード、クミンにターメリック、えびペーストなど、タイ料理ならではの本格素材なんかも入っちゃって。もう、ひとくち食べたらタイランドってな感じになれるんです。
よって、このグリーンカレーを使って「ガンタ米をリゾットにしよう大作戦」の始まりです。
とは言っても、やるべきことはただひとつ。フライパン代わりのコッヘルにRoi Thaiをひとパック絞り出し、軽くあたためます。そこに、失敗したガンタ米を投入し、全体がしっかりと混ざり合うまで、弱火でコトコト。リゾットなんだから芯飯が当たり前と考え、無駄なあがきはせず、グリーンカレーの膜が米の一粒一粒を包み込めばそれでOK。
これでよしと思えれば、潔く火から下ろしましょう。あとは、シェラカップに入れて食べるだけ。
と、ビックリです。ココナッツミルクの効力なのか、コリアンダーの風味なのか、はたまたガンタ米の歯ごたえなのか、ここに絶妙な味わいのエスニック風リゾットが誕生していました。
Roi Thaiグリーンカレーの新たな食べ方の発見です! なんて大げさなことを言っていますが、もはや調理ともいえず、ただ混ぜ合わせただけのシロモノでしたけれど。
が、これも失敗したガンタ米があったればこそ。これこそ、怪我の功名というものでしょう。でも、再現できるかどうかは微妙ですね。あの歯ごたえのガンタ米、もう一回つくれるかな?
■「Akimamaで勝手にアレンジ、ガンタ米からの復活グリーンカレー風リゾット」
〈材料 2人分〉
Roi Thai グリーンカレー……1パック
米炊きに失敗したガンタ米……2合
〈作り方〉
1.まずは生米からガンタ米をつくる(笑)
2.コッヘルにRoi Thaiのグリーンカレーを投入
3.弱火で少しあたため、食べられる量のガンタ米を入れる
4.米の一粒一粒にグリーンカレーが絡み合うまでじっくりと
5.完成! ガンタ米の歯ごたえも、リゾットにはピッタリ