- 料理
【好評連載】山好き料理家カノウヒナタの「山つまみ12ヶ月」 第2回 四川風! 麻婆茄子(ビールを添えて)
2017.12.21 Thu
カノウヒナタ 料理家
登山雑誌やアウトドアイベント、テレビなどの様々なメディアの場で
「ごはん」にまつわる仕事をされる料理家・カノウヒナタさん。
時間ができるたび山へでかけるというご本人の経歴を活かし、先月からAkimamaで連載をスタート!
テーマはずばり『山で作って楽しむおつまみ』。
自他ともに認める“呑兵衛”の腕を月に一度Akimamaで振るっていただきます。
こんにちは、カノウヒナタです。
山の準備で毎回頭を悩ませるのが、ビールなどのお酒。山で最高の一杯を飲みたいという欲望と、重い荷物をかつぐツラさとを天秤にかけ、頭のなかで葛藤が生まれます。結局、欲望に負け、荷物は重〜〜く……というのは、私だけではないですよね??
そんな山好き呑兵衛さんのために、この連載ではお酒をよりおいしくしてくれる“山つまみ”を紹介していきます。
それにしても、早いもので今年一年が終わってしまいますね。
2回目の山つまみは、本格的な味を手軽に作れるイチオシレシピ「四川風! 麻婆なす」のご紹介。四川料理は花椒(※)や唐辛子などの香辛料を使う辛みのある料理ですが、山でその辛さにしびれて、片手にお酒なんて最高……!
※花椒=ホワジャオ。中国原産の山椒の仲間。日本の山椒より香りが強く、しびれるような刺激的な辛みがある四川料理に欠かせないスパイス。
では早速レシピです。
<材料>
・なす 2個
・豚ひき肉 60g
・ニラ 4本
・ねぎ(白い部分) 10cm
・焼肉のたれ 1パック(42g)
・花椒(ホール) 20粒〜
・水溶きのいらない片栗粉 適量
・ごま油 適量
今回の材料のポイントは3つ。
①山に持って行きやすい食材「なす」
なすは匂いもなく、常温で持ち運びやすく、そして軽い。山ごはんにぴったりの食材ですね。
②エバラ焼肉のたれ「黄金の味」プチサイズ
大手スーパーでこんなものを見つけてしまいました。炒め物の味付けなどにもちょうどよく便利。なければ小分けボトルで焼き肉のタレを持っていってください。
③S&B「水溶きのいらない片栗粉」
とろみを付けたいけど水で片栗粉をいちいち溶くのはめんどう。思うことは皆さん同じなのですね。ラーメンにとろみをつけたり、スープにとろみをつけたり、重宝しそうな商品です。
さあ作っていきましょう。
材料を切ります。ニラは長く持ち運びにくいので自宅でザク切りにし、密閉式袋に入れて持ち運びます。ねぎは細切り、なすは大きめの乱切りします。基本的に野菜は切ってしまうと傷みやすくなるので丸ごと持ち運ぶのが◎。
熱したフライパンにごま油を引き、挽き肉に火が通るまで炒めます。
そこへなすを加え、油が足りなければ随時足して炒めます。
なすがしんなりしてきたら焼肉のタレを加えます。
今回の本格的な味の決め手はこちらの「花椒」。香りをより出すためにナイフなどで砕いてから加えます。
切っておいたニラとねぎ、水(分量外)30mlほどと片栗粉(水溶きのいらない)を適量加え、全体を混ぜたら完成です!
「山にお肉を持って行くの?」と思う方もおられるかもしれません。でも今回のレシピ、お肉をシーチキンやコンビーフでアレンジしてもOKですが、ぜひお肉で作ってみてください!
そりゃあおいしいに決まってるんだけど、山で食べるお肉は本当においしい!! 苦労して汗かいて登ったあとのお肉は(ビールも)たまらないです。ほかにも「すき焼き」「豚バラ鍋」「モツ炒め」などなど、山のお酒の時間がより楽しくなりますね。
お肉の持ち運び方は、冷凍したお肉を保冷バッグに入れ、気温の高い日は凍らせたペットボトル(飲み水)も一緒に入れておけば安心です。ちょっとのひと手間、やる価値ありなのでぜひ!
さぁ食べてもらうのは夫です。こちらも大の酒好きなので、山つまみとしての評価も兼ねて。
さて、評価は……。星5つ★★★★★
「ウマイ!! 口に入れた瞬間、花椒の香り、油を吸った茄子がジューシーで食べ応えもある。焼肉のタレで麻婆?と半信半疑だったけど、スパイス感、旨味、甘味がバランスがいいし、ごま油と花椒が加わったことで間違いなく麻婆になっている! 合うのはキンキンに冷やしたビールだね」
出ました! 星5つーー!! ひき肉や専門スパイスは使いますが、手順はとっても簡単なレシピなのでぜひ家でも試していただきたいです。
次回は新年! やっぱりあれが飲みたいな〜。
(文・写真=KIPPIS 料理家・カノウヒナタ)