- 料理
勝手に燻製“食材”選手権。パティシエスケーターHALのいろいろ試してみた企画の今回のテーマは「燻製」です。
2020.08.29 Sat
HAL パティシエスケーター
少し前の記事ですが、【勝手に、ホットサンドメーカー選手権!!】が好評?! だったのをいいことに、新たないろいろを試してみた企画をやりたいなと思った次第。キャンプ料理っぽいっていったら「燻製」でしょ。ということで、今回は燻製料理にチャレンジです。
ワイルド燻製の決定版といえば、これでしょ。でも、この写真はあくまでもイメージ。こんな王道を試してみてもおもしろくない。ということで、ちょこっと変化球での挑戦です。
ワタクシ的には、燻製機というとドラム缶にもくもくと煙が出ていて、豪快なイメージだったのですが(←古い?)、最近の燻製機(スモーカー)はかたちも機能もスマート、なんなら煙もモクモクならないとか?
各社さまざまなタイプのスモーカーを出しているようですが、どのタイプがいいのかが正直わからない。ということは、料理に携わっているものとしては、これは食材にフィーチャーしたほうがいいのか、ということで、今回は題して「燻製“食材”選手権」としてみました。
ならば、チーズなどの定番ものだけでなく、これって燻製できるの!? というのも試してみようじゃないですか! でもまず、HALは燻製初心者ですので、燻製とはなんぞやというのを、さらっとおさらいしましょうかね。
燻製には種類がある。
そう、燻製といっても調理法が3タイプあるのです。「冷燻」「温燻」「熱燻」と熱し方によってわかれています。燻製とは煙でいぶすことで食品の保存性を上げる調理法なので、各タイプによって保存期間も変わってきます。いちばん時間のかかる「冷燻」がもっとも保存のきくタイプということです。ただ、水分量をなくすということなので、食材の食感は固くなります。
たいてい、キャンプやレシピサイトなどでよく見かける調理タイプは「温燻」です。50~80℃の温度で、長時間いぶし、スモークの香りをつけます。食材はやや硬くなりますが、キャンプなどでその場ですぐ食べるにはおいしくできます。ベーコンなどはこの方法です。
温燻よりも高い温度帯で一気に仕上げるのが「熱燻」です。80℃以上の温度帯で1時間程度の短時間で仕上げ、水分量もそれほど失わないので固くなくジューシーですが、日持ちはしません。小型のスモーカーなどでもでき、一瞬で煙をまとわせるイメージです。
さてさて、さわりだけですが、説明はこんなものでいいですかね。みなさん、そんなの知ってるわ!ってカンジですよね。
ということで、前置きが長くなりましたが「燻製“食材”選手権」の開幕です!
スモーカーは今回、キャメロンズの「ミニスモーカー」とSOTOの「スモークポット Coro」を使用しました。
スモーク感は変化がないように、同じスモークチップを使用します。より一般的なサクラチップにしました。
食材は各種取りそろえてみましたよ。加工品から食材単体、なんなら調味料まで! ということで、最初のグループはコチラ。
塩、しょうゆ、オリーブオイル、ネギ、エリンギ、ニンニク、ミニクロワッサン、ミックスナッツ、カボチャ、ジャガイモ、です。
キャメロンズの「ミニスモーカー」を使って温燻に挑戦してみましたが、ほんとに、煙がでないんですね。ふたをしっかり閉めていれば、家の中で使っても煙くさくなることもなく、まったく問題ありません。
食材によって調理時間がちがうので、ちょこちょこ開けての確認作業。ほんとは締め切ったままのほうが、スモークが付いていいと思うんですけどね。
まず、30分ほどでよい感じになったのが、エリンギです。白い部分が褐色になりスモーク臭もついている。キノコ類はすぐ小さくなってしまうようなので、早めに救出するのがいいかも。
あと同じくらいの時間でイイカンジになったのが、ミニクロワッサンです。焦げやすく、そしてすぐに炭化するので、実際スモークというよりは焦げたパンになってしまいましたが。まぁ、許容範囲。
ミックスナッツは30分ほどでもいいですが、もっとスモーク感を出したければ1時間ほどがいいかと。カシューナッツの白い部分が茶褐色になり、クルミもスモーク感がでます。アーモンドは若干硬さがありますが、おいしかったです。スモークナッツというのも販売されているくらいですから、アリなんでしょうね。
ネギも焦げます。水分がでます。スモークかというとそこまででは……こりゃまた残念。あと薄切りにしたカボチャも40分くらいでカリカリになってしまいました。ここは厚切りのほうがよかったかもしれません。そんなにスモーク臭もつかずで終了。
あとはニンニクも薄切りにしてみたのですが、こちらは丸のままのほうがよかったかも。スモーク臭はつきますが、そのまま食べるならホールかな? ただ、ガーリックチップとしての使い方ならスライスでもいいですね。固くなるので、やりすぎ注意です。
1時間くらいでよくなったのが、ジャガイモです。小ぶりのもので1/4にカットしましたが、ホクホクになったうえにスモーキーになる。いいじゃないですか!
塩も1時間くらいでよくなりましたね。若干色づき、スモーク加減もイイカンジ。平らなお皿のほうがより色づきやすいかと思います。
オリーブオイルもいいのですが、もう少し時間をかけたほうがいいかと思います。色的には若干濃くなって、スモーキーなオイルといった感じ。スモークソルトと合わせて使えば、サラダなんかにぴったりかもしれません。
最後にいちばんむずかしかったのが、しょうゆです。スモーク感は付きますが、ただ、時間設定がむずかしい。30分くらいの早めだとまだスモーク感は付いていないし、1時間だとやりすぎてしまって、ただの焦げたしょうゆになってしまいました。うまいことすれば、ぜったいにおいしいはず。程よいところを見つけて試してみて。
左上:30分経った食材たち、エリンギなどはいい色付き具合。右上:ミックスナッツは1時間やってこれくらいの色づき具合。左下:カボチャは薄切りだったせいかカリカリに。右下:1時間試してみたしょうゆは沸騰したような具合になってしまった。30分前はまだ液体だったのに……。
さて、第2クールはSOTOの「いぶし処スモークポット」を使って、これまた異色食材の登場です。
豆腐、枝豆、からあげ、アメリカンドック、肉じゃが、ピザです。
まずは、枝豆。これはやったことあるって人もいることでしょう。冷凍のものをそのままインすればいいので扱いやすいですね。1時間くらいでスモーク感もつくし、味もいい。安定の食材ですね。
次にピザ、これも焼くだけでOKのものをそのままインしてみました。先ほどのクロワッサンといっしょでパン素材なので、炭化しやすいです。30分ほどでカリカリにチーズもとけて耳の部分がそれなりのスモーク感。これはアリですね。
ちょっと期待していたのに残念だったのが、からあげ。それなりのスモーク感はつくのですが、時間をかけないと付かない。そして、1時間ほどかけると固くなってしまうのでおいしさが半減してしまう。これだと、ちょっとよくないかも。思った通りにはいかなかったですね。
もうひとつ期待していたのが、アメリカンドック。30分くらいじゃスモーク感はなく、1時間くらいかけても、それほどのスモーク感がでない。中まであたたまりもしないので、ちょっと残念感が高かったです。
そして、最難関だったのが豆腐! 水がでます。いや、もちろんなのですが、お皿にいれといてよかった。1時間やっている最中に何度か水を出しました。水切りして挑んだとしてもたぶん水がでると思います。そして、ほんの少しだけ茶色を表面には感じるのですが、スモーク感は遠くにいる程度。中は豆腐のままなので、薄切りにしたほうがいいのか? スモークしょうゆがうまくできたら、それとの併用がいいかもしれません。
最後に期待値が高かったのが、肉じゃが! 友人からスモーク肉じゃががいいらしいという情報を聞いていたので、ちょっと期待をしての投入だったのですが……1時間やそこらではそれほどのスモーク感は出せず。ましてやあたたまりもしないので、ダメダメでした。期待値が高かっただけに、どうしたものかと。もしや、ものすごく時間のかかるものかもしれません。これは次回に持ち越しですね。
とういうことで、今回のワタクシ的ランキングは……。
1位 エリンギ
2位 ジャガイモ
3位 塩
です。やはり素材なのか? といったところですが、ほんとはもっとゲテモノも試してみたかったですね。ただ、いかんせん筆者に好き嫌いがありすぎるw ほんとは試してみたかったのは納豆、たくわん、梅干し、おから……ごめんなさい。どれも食べられないので、ちがいがわからない。味のレポートができない。←致命的!
ということで、キャンプで燻製やる予定のある人は、ぜひとも試してみてください。
さて、勝手に燻製食材選手権。やはり熱をかけるということで、溶けないものであるというのは大前提ですが、基本どんな食材でもトライは可能! キャンプのアクティビティとして今後の参考になったかな? なってない??