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2014年はアウトドア界の“00”アニバーサリーイヤー!
2014.01.20 Mon
宮川 哲 編集者
アウトドアの世界において、今年、2014年は、ある意味で特別な年なのです。
なにが特別かといえば、“00”周年のアニバーサリーを迎えるブランドが目白押し! なんですよね。ザザッと調べてみただけでも、出てくる出てくる。
ブランド創設20周年、30周年、40周年と続いて、……最長はなんと130周年まで。
アウトドアのギアはある意味、生き抜くためのギアであるだけに、ブランドそのものの息も長いんですね。それも、ブームに則らずに、ていねいな仕事を続けてきたブランドならではでしょうが、いやはやスゴいものです。
以下、簡単な紹介も含めて、“00”周年を迎えためでたきブランドを列挙してみましょう。
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マウンテンハードウェア 1994年(1993年)/20周年
www.mountainhardwear.com
アメリカはカリフォルニアのバークリーに誕生したアウトドアブランド。「限界に挑戦する人々」へテクニカルなウェア&ギアを提供する、真摯なブランドとして知られています。創業年は1993年ですが、本格的な市場への参入は1994年の秋のコレクションから。そんな理由から、マウンテンハードウェアでは2014年の今年を20周年として位置づけているようです。
クレッタルムーセン 1984年/30周年
www.klattermusen.se/
1984年、北欧はスウェーデンのオーレに生まれたブランドです。北欧の厳しい自然に培われたアウトドアブランドだけに、洗練されたデザインはもちろん、ていねいなモノづくりに定評があります。機能性とデザイン美が融合されたアイテムの数々は、見るも愉しく、使うも心地よく、多くのアウトドア魂を惹き付けてくれます。
マジックマウンテン 1984年/30周年
www.magic-mountain.jp
日本が誇る国産ブランド、マジックマウンテンの創業も30年前の1984年です。さまざまな登山用具の輸入販売とともに、自社ブランドの開発も手掛けています。創業者の国井 治さんはヒマラヤの高峰、ヌプツェやナンガ・パルバット、ディランなどに登頂している日本を代表するクライマーのひとりです。
マーモット 1974年/40周年
http://marmot.com
カリフォルニア大学の学生だった若者たちが、ダウンを使ったシュラフをつくったことがその始まり。なんと、あのゴアテックスをアウトドア界で初めて使ったのもこのマーモットです。アウトドア好きなら一度は目にしたこともある(だろう)、あのモコモコの8000mスーツも有名ですよね。
オスプレー 1974年/40周年
www.ospreypacks.com
猛禽類のミサゴのロゴマークがシンボルのオスプレーは、もう40周年です。誕生の地はアメリカのコロラド州。機能性の高さと美しいデザインが魅力のバックパックを、たくさん世に送り出しています。重い荷物を入れても安定するあの背負い心地のよさは、ヤミツキに。Akimamaでも力強くオススメしたいくらいです。
キャラバン 1954年/60周年
www.caravan-web.com/index.html
キャラバンシューズの歴史は、アウトドアメーカ“キャラバン”の歴史でもあります。日本の山岳界に燦然と輝くマナスル遠征隊の足元を支えたのが、キャラバンが手掛けたのシューズだったのです。登攀に取り付くまでのアプローチのため、ベースキャンプへと向かって“キャラバン”するために使われたので、この名が付きました。いまや日本を代表する総合アウトドアブランドです。
好日山荘 1924年/90周年
www.kojitusanso.jp
登山用具専門店の草分け「好日山荘」が大阪に開業したのは大正13年のこと。つまり、1924年。登山家の西岡一雄さんの手によるものでした。山内や門田のピッケル、アイゼンを普及させるなど、日本の登山界へ与えた影響はとても大きいものでした。2001年には一度、歴史に幕を閉じますが、いまは国内を代表する登山量販店として「好日山荘」の名は生き続けています。
ホグロフス 1914年/100周年
www.haglofs.com/
日本でも人気度抜群のホグロフスは、記念すべき100周年。言わずと知れた北欧はスウェーデン生まれのブランドで、いちばん最初は森や農地で働く人たちのために使いやすいバックパックをつくっていたとか。いまやウェアからブーツ、シュラフまで取り揃えるビッグブランドになっていますね。日本での北欧人気の火付け役でもありました。
サーモス 1904年/110周年
www.thermos.com
驚きですよね、サーモスはもう110周年なんです。創業は1904年というから、日本では日露戦争が始まった年です。教科書にも出てくるような大昔のことですが、その誕生はドイツのベルリンにつくられた「テルモス」という会社です。魔法瓶自体の原理は1892年にはあったそうですが、それを世界で初めて製品化したのがドイツのテルモスだったのですね。以来、世界中の人々の生活に密着しています。そういえば、魔法瓶のない世の中って、なかなか想像できませんよね。
バブアー 1894年/120周年
www.barbour.com/eu
120年の歴史を持つバブアーは、イングランド生まれ。北海の海で働く男たちのために、オイルドクロスで防水性の高いジャケットをつくったのがその始まりです。二度の大戦のときには、イギリス軍でも使われていた歴史があります。いまやアウトドアのオールドスタイルとしても有名ですよね。ハンティング、フィッシング、乗馬、とそんな品格のあるイメージが漂うブランドです。
ビクトリノックス 1884年/130周年
www.victorinox.com/
スイスアーミーナイフの老舗中の老舗。いや、その代名詞でもあるビクトリノックスが誕生したのは、1884年のことです。帽子職人の四男だったカール・エルズナーの手によって生み出されたこのマルチツールは、いまや宇宙への装備品としても持ち出されるほどになっています。一世紀以上、というよりも一世紀と四半世紀を越えてもなお世にあり続けるギアというのは、もはやアウトドアギアの範疇を飛び越えています。芸術品といえばいいのか、文化財というべきなのか……。ビクトリノックスというナイフが、この130年間に刻んできた歴史の重さは計り知れません。
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以上がAkimamaが注目するアニバーサリーイヤーのアウトドアメーカーの数々ですが、こうやって書き並べて見ると、なかなか迫力ありますよね。まだまだリサーチが足りていない部分もあるので、もっともっと“00”周年アニバーサリーが該当するブランドもあるのではないかと思います。
あと、アニバーサリーイヤーだけに、もしかすると各ブランドでなにかしらのイベントなんかもあるかもしれませんよね、今年。ちょっと期待大です。
それにしても、多いですよね。末尾に“4”の付く年に創業すると、息の長い仕事ができるのかな? なんて勘ぐっちゃいますが、どれもこれも、各ブランドの熱い想いと企業努力の賜物なんだと思います。
“長く使える信頼のギアづくり”、これぞ、アウトドアブランドの真骨頂なのではないでしょうか。