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【やってみた】IKEAで見つけたカトラリー用水切りで焚き火してみた
2015.05.28 Thu
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
アウトドア道具も一通り揃ってくると「自分好みの道具を自作してみたい」とか考える人も多いのでは? 実際テーブルやイス、バッグなどなど自作している人たちも多々お見かけします。しかし木工にしろ鉄工にしろ縫製にしろ「工具がないし、技術がないし、根気がないし……」など理由をつけては、なかなか実現できない私はこんなことを考えました。「既成のものを代用しちゃえばいいじゃない」と。
先日、IKEAでお買い物していてナイスなものを見つけました。それがこれ、カトラリースタンドです。いわゆるスプーンとかフォークとかを立てて水切りできるアレです。直径120mm高さ180mmの円筒形のステンレススチール製です。何がナイスかというとこの多数の穴。これで焚き火したらガンガン空気を吸ってくれるだろうと思ったわけです。それにひとり焚き火にちょうどいいサイズ感。ナ~イス。しかもこれがなんと税別299円! 買いです、買い、即買いです。でも果たしてちゃんと機能するのでしょうか? 燃焼効率は? 耐久性は? そんなわけで実際にキャンプ場で焚き火してみました。
いい燃えっぷり。本体の穴から見える炎も美しい。
結果はご覧の通りいい燃えっぷりです。しかも、数時間燃やし続けましたが熱による変形もありません。優秀! 燃焼効率はというと、ちょい燃えすぎです。小枝や細めの薪なら速攻燃え尽きます。そりゃあそうです。全方向から酸素を取り込んで、煙突効果で更に酸素を取り込もうとしています。大きさは違えど、以前A&Fさんで扱ってた「キャンプファイア・イン・ア・カン」の本体と似ています。あれの燃え方も相当なものでした。
しかしまぁ燃えるってのはいいことです。小枝をいっぱい拾ってきて少しずつ燃やしていくと面白いように燃えていくので飽きません。それに、ある程度熾き火になった状態なら、ゆっくりスルメを炙るのに最適。思わず舟唄でも歌いながらぬるめの燗酒でも飲みたくなってしまうってもんです。
さて、着火のコツですが、まず下の方に拾ってきた杉の枯れ葉や小枝などを入れて、次に割り箸ぐらいの太さから親指ぐらいの太さの枝を立てていきます。それで準備完了。マッチまたは火をつけた細い木を下の方の穴から炎が消えないようにそっと差し込みます。すると……なんということでしょう! 一発着火でガンガン燃えはじめます。あとは少しずつ材を太くしながら、細めの薪とかもぶっこんで行きましょう。
最初は燃えやすい杉の枯れ葉や枯れ枝を集めて入れます。これで、下の方から火を入れればカンタン一発着火!
見よ、この煙突効果! 筒内の温度が上がってくると、周りの穴からぐんぐん酸素を取り込み炎は真っすぐ立ち昇ります。
焚き火エキスパートの藤原よっち氏によると、焚き火がうまく燃えないのは、1温度が低い(材の燃える温度に達していない) 2酸素が足りない 3材が足りない このいずれかなのだそうです。このカトラリースタンドなら酸素はガンガン取り込んでくれますので、1と3に気をつければ、長時間ひとり焚き火を楽しめます。松ぼっくりなんかも入れて火をつければネイチャーストーブとしても使えます。小型のケトルを乗せるのにちょうどいい大きさですし、ちゃんとお湯も沸きます。
小枝や松ぼっくりを燃やせばネイチャーストーブとして使用可能。ちゃんとお湯も沸きました。
本来ならキッチンをオシャレに演出するはずだったカトラリースタンドが、山の中で焚き火台やネイチャーストーブになって、でもってスルメを炙られようとは、IKEAさんでも知りますまい。
※文中の価格は2015年5月現在の店頭でのものとなります
※この使い方はIKEAさんとは無関係ですので真似する場合はご自身の判断で
(文・写真/渡辺信吾)