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スノーサーフってなんだ? 話題のスノーサーフスクールを体験してみた
2016.02.16 Tue
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
スノーサーフ(SNOW SURF)という言葉がある。元々はスノーボーディングの原点的な言葉でもあり、昨今注目されるムーブメントでもある(こちらの記事もご参照ください)。その言葉の定義や捉え方は人それぞれ。私個人の感覚では山の様々な地形に合わせ自由に雪山を滑走し、パウダーはもちろん、沢や壁へのアプローチなど、サーフィン感覚を雪上でも体現するスタイル……と、なんとなく理解している。テケテケながらサーフィンもたしなむ私としては、非常に気になるところでもある。
イメージとしてはなんとなく理解しているものの、普段のスノーボーディングと具体的にどんな違いがあるのだろうか? もしかしたらGENTEM STICKやMOSSに乗ってないとスノーサーフとは呼べないのか?
そんな疑問を、“スノーサーフスクール”なるスクールを開校しているハイファイブ・マウンテンワークス(HIGH FIVE Mountain Works)の片柳圭介氏にぶつけてみた。
「スノーサーフはGENTEM乗りだけのものじゃないですよ(笑)。まぁ話すより実際やってみた方がわかりますよ」とのこと。
GENTEMを持っていない私は、ちょっとだけ安心。ということで、会ったその場で週末のレッスンを予約。実際にスノーサーフスクールを体験してみることにした。
この日の会場は丸沼高原スキー場。受講者は私を含めて3名。ムムム……私以外はやはりGENTEM。大丈夫か(冷汗)。
この日のコーチは片柳圭介氏。ハイファイブ・マウンテンワークスのバックカントリーガイドも務める。
朝一のブリーフィングでレッスンの流れを確認。まずは緩斜面でのドリフトターンから始めるらしい。「え? 今更ドリフトターンから? カーヴィングじゃなくて?」と正直思ってしまった。だがコレが甘かった。ニュートラルポジションからの目線、上半身の先行動作、荷重、抜重という一連の動きを、ゆーーーっくり、じわーーーっと意識しながら繰り返す。まるで太極拳?! ひとつひとつの動きをゆっくりと行うからかなり負荷がかかる。一連の動作を脳と筋肉に染み込ませるようなレッスンだ。
それにヒールサイドターンの先行動作がこれまでの自分の滑りとは大きく違う。板のサイドカーブ以上の弧を描くために上半身を先行させつつ、積極的に板にトーション(ねじれ)を作る。自分ではかなり先行動作意識してるつもりでも「もっと先行、意識していいですよ」と言われる始末。普段使っていなかった肩甲骨周辺の筋肉が徐々に悲鳴をあげはじめる。
ドリフトターンひとつとっても、色々と見直すべき点が多々ある。さらにカーヴィングとなると軸やら、アンギュレーションやら、前後の荷重シフトまで見直すポイントはたくさん。できてると思ったことも実はできてない。
しかし、レッスンを進めて行くうちに明らかにドライブ感は変わる。まだ動作はぎこちないものの、変化がわかると楽しくなる。さらにそこから壁地形へのアプローチなどもいろいろ試したくなる。
コーチを滑りをトレースしながら視覚と身体の動きをリンクさせていくレッスン。ドライブ感が少しずつ変化していくのがわかる。
一通りのレッスンを終えて思ったのは、
フラットバーンでもスノーサーフできる
スノーサーフという言葉から、壁地形や法面を波に見立てて滑るという先入観があったが、フラットな圧雪バーンでもサーフィンライクな動きができるということ。フラットなのにボトムターンやトップターン、カットバックとかをイメージして滑るのは楽しい。ますますスノーボードが面白くなった。
どんな板でもスノーサーフできる
もちろんGENTEMやMOSSなどの板がスノーサーフ向きなのは当然だ。そういうコンセプトで板づくりされている。でも板のブランドやシェイプ以前にカラダの使い方や板の動かし方でスノーサーフは体現できる……はず。でも、だんだんGENTEMが欲しくなりつつある自分も否定できない。
サーフィンの練習にもなる
同じヨコノリでも、サーフィンとスノーボードのターンは似て非なるモノだと思っていた。レッスンのおかげで、サーフィンのムーヴとの共通点が見えてきた。ということはサーフィンの練習にもなるじゃん?! まだまだスノーシーズンだが、海にも行きたくなってくる。
まぁ、これらはあくまでも私個人の見解。またレッスンに参加したり、自主トレしたりすればこの感想も変わってくるかもしれない。是非皆さんも実際に体験してみてほしい。滑りや見えてくる景色が変わってくることは間違いない。
深いです。スノーサーフ。
翌日、レッスンの復習しているところを友だちに撮ってもらった。まだまだ先行動作が浅い……(泣)
■お問い合わせ
ハイファイブ・マウンテンワークス
まるでサーフィンのボトムターン。こんな深イイターンをしてみたい。
画像提供:HIGH FIVE Mountain Works ©KUWA photo