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親子登山で世界が広がる。子どもと歩くハイキングガイド・栗田朋恵さん
2016.05.16 Mon
MERRELLユーザーインタビュー
第3回/栗田朋恵さん
ハイキングだけでなくシャワークライミングやスノーシューまでこなすガイド。そして二児の母であり、「外あそびtete」で親子登山の楽しさを提唱している。そんな栗田さんの肩書きを一言で表すのは難しい。とは言え、プロフィールから察するに生粋のアウトドア好きであることだけは間違いない。さぞ小さい頃からアウトドアに親しんできたのだろうと思いきや。
「私自身、アウトドアを意識したのは26歳の時でした」
と、意外なほどに遅咲きなのだった。
●あの一瞬でアウトドアの扉が開いたんだと思います
「生まれは長野県の小谷村で、実家はユースホステルをやっています。周りは自然に恵まれた、いわゆる田舎です。子供の頃から野山を走り回っていましたから、自然には親しんでいました。でもそれはアウトドアなんてカッコいいものじゃなくて、あの辺りで暮らしていれば当たり前の生活なんですよね(笑)。冬は腰まで積もった雪をかき分けながら通学したりしました」
そのおかげで、と栗田さんは続ける。
「足腰が鍛えられたんだと思います。中学高校では陸上部にいたんですが、みんなが疲れたって言ってるときに、自分はもう一週走れるくらいの余裕がある。どうやら私は体力があるらしい、ってことにはうすうす気づいていました。でも走るのが速いとか、そういう事じゃないんですよね。地味に疲れない。親もそのあたりは分かってたみたいで『あんたはあか抜けない馬みたいだ』って笑ってました」
MERRELLのショールームで展示してある子供用のシューズを見ながら。「一緒に歩きたいから、子どもの靴はいつも気にしてるんです。キッズサイズのジャングルモックなんて、ホントに良くできてますよね。ビックリしました」
では、何が栗田さんにアウトドアを意識させたのか?
「小さい頃から絵を描くことも好きで、大学は東京芸術大学の美術学部に進学しました。そこで一気にアウトドアからインドアへ、田舎から都会へ、と生活が変わったんです。大好きな美術に関わって暮らして、周りには刺激も多い。そんな東京は大好きでした。けれど26歳の頃、就いていた会社の美術部門が縮小されることになりました。仕事にやりがいは感じていたんですが、将来をどうすべきか考えるようになったんです」
そんなときだ。
「長年、実家のユースホステルを手伝ってくれていた方が引退するってことになって。じゃあ、少し実家を手伝おうかなって長野に帰ったんです。東京を捨てるとか、そういう特別な気構えはありませんでした。長野も良いところだからちょっと、みたいな感じです」
ユースホステルの仕事は雑用の連続だ。早朝から消灯まで細かな用事が続く。けれど、日中にぽっかりと時間が空くことも多い。そうした中で、ある日スノーシューツアーのお手伝いをすることになったのだ。
「うちの両親とも親しい人ガイドさんがいるんですけど、ツアーが忙しくて手伝いが欲しいって話してたんですね。年は父と同じくらいの方です。始めはその人について、お客さんを見守りながら一日山の中を歩いただけです。で、終わったら『じゃあ次はいついつね』って。私は当初、単発のお手伝いのつもりだったんですけど、そこに新しい世界を見つけた感じがありました。それで、『はい』って(笑)。
それからはなんだか自分の気持ちも周りの状況もどんどん、山を歩く、っていう方向に向かっていきました。かといって、無理に引っ張られているわけではないし、どうせできないだろ、って突き放されることもありませんでした。こうしたら良いよって、私みたいな何も知らない人間を育てることに愛情をかけてくれたんです。そのとき、自然世界の深さやおもしろさを伝えることと、責任の重みを学びました。それがガイドっていう仕事と、アウトドアっていう言葉を意識した瞬間だと思います」
外あそびteteの親子登山風景。たくさんの子どもたちが自然に触れあいながら、自分の世界を広げていく。その様子を見守ることはとても楽しいそうだ
●分け合うこと、繋がること
ガイドを始めて確信したことがある。
「何となく思ってはいましたけど、自分はソロで楽しむタイプではない。誰かと一緒に楽しさを共有したり、苦しさを分かち合うのが好きなんです。アスリート的に一人で記録を出していくよりも、励まし合って手を取り合っていくほうが向いていると思います」
その発言は、聞きたかったことの答えそのものだった。どうして親子登山をしているんですか? と質問したかったのだ。
「あははは、そうなんですか。うん、子どもたちとも一緒に行きたいんです。確かに子どもは手がかかります。ましてやアウトドアとなると、それなりに準備も必要ですしね。でも、私も最初は何も知らなかった。何が楽しいかも分からなかった。その中でお花の名前を覚えたり、ゆっくり歩くことで自分の世界がどんどん広がっていったんです。ガイドになるときに、たくさんの先輩たちから可愛がってもらいながら、愛着あるものを渡された気がしました。今度は私が自然を通じて、世界が広がる感覚を子どもたちに、愛情を持って手渡したいとも思います」
それに。栗田さんは目を輝かせてこう言うのだ。
「子どもって、だんだんとできることが増えていくんです。その成長に寄り添う喜びは大きいです」
子どもと一緒に歩く。そうして子どもの感性が花開いていく様子を見届ける。文字通り、手を取り合って、歩いて行くのだ。
プライベートでもお子さんとはよく山歩きに出かけるという栗田さん。必要以上の手助けはしない。小さな冒険者が成長していく様子を、そっと見守るのだ
「この春から京都造形芸術大学で非常勤講師をやらせて頂いてます。美術と保育の勉強をしている学生さんたちと、自然を介して感受性を開き、表現を探求していく活動をしています。
私自身、はじめはアウトドアと美術は別ものだと思っていました。だから東京で美術を勉強していた時間と、長野でアウトドアに没頭したた時間はそれぞれ独立したものだったんです。けれど、二つは隣り合っていて心の中で繋がっていた。外からは見えないけれど、本当は通じていた。ここ数年、自然の中で過ごしているうちにそのことが分かってきたんです。それを大学の場で実践できる。こんな機会に恵まれたことは、ほんとうに幸せだと思っています。
おもしろいなと思ったのはガイドと講師には共通していることも多くて、今までの経験が役に立っています。意識して集中と解放の時間を設けたり、個々の喜びを尊重することを優先したり。それはガイドの仕事で培ってきたことでもあります。
私は好きなことを、流れに逆らわずにやってきました。思い返してみると今、そのことが全部一つの線に繋がったような気がします。何というか、自分は目の前の山をただ登ってきた。けれどある日振り返ったらその稜線が全部繋がっていて、知らないうちに縦走をしていたことに気づいた。そんな感じを持っています」
こうして栗田さんの生活には親子登山とアウトドアに加えて、大学講師が加わった。なるほど、この肩書きを一言で表すのは難しい。
「ホント、自分でも自己紹介に困ります(笑)。でも新しいものにたくさん触れられて、とても楽しい毎日です。実は、このカプラもその新しいものの一つでした」
現在、栗田さんが愛用しているのはCAPRA。「自分一人だったら選んでなかったかもしれない。すごく嬉しい偶然が重なって、巡り会ったんです」
「MERRELLのサポートをいただく中で、どのシューズを履こうかと考えていたんです。私は重い荷物も背負うのでしっかりした縦走もできるような靴か、下見の時にササッと歩ける軽登山向きのローカットかを候補にしていたんですね。だけど、これが良いんじゃない?って勧めらたのが『カプラ』だったんです。自分では思ってもみなかった選択だったので、とても新鮮でした。そして、良い意味で期待を裏切られました」
栗田さんが驚いた点は大きく四つある。
「まず軽いんですよね。ミッドカットでゴアテックス。それなりに要素は詰まっているのに、こんなに軽い。手に取った瞬間、ビックリでした。
それからアッパーのフィット感がとてもいい。私は足が大きいので、いつも男性用の26cmを履いてるんです。とは言え骨格は女性ですから、今まではどうしても幅が余ってました。だけどカプラはそれがないんですよね。ここに理想のシューズがあった!って嬉しくなりました」
手にして履いて感じた驚きは、歩いてみて信頼に変わったそうだ。
「ここのところ、カプラで出かける機会が多くて。思ったのは、この靴ラクだなっていうことですよね。軽快に、いくらでも歩ける感じがします。もっと早く出会いたかった(笑)。
それから足が良く進むことも印象的でした。グリップが良いって言うよりも、ソールの噛みが良い。不整地でも砂地でも岩でも、どこでも路面をがっしりつかまえてる。この安心感はいいですね」
こういったカプラの意外性は、栗田さんの中の冒険心にも火をつけた。
「距離の長いハイキングに出かけたくなりますよね。たとえば関東だったら三浦半島とか。海岸の砂浜や岩場から、湿った土の低山まで。海と山とを歩きつなぎながら、長くゆっくり歩いてみたいなと思います」
もちろんその旅は一人ではないのだろう。栗田さんはこれからも、誰かの手を引いて歩き続けるに違いない。
外あそびtete
http://www.teteasobi.com
■栗田さんが考える、ハイキングの楽しさとは?
栗田さんが感じた軽快さと、ラクに歩けるというフィーリング。それこそまさに、CAPRAの開発チームがめざしていた快適さです。ストレスを感じずに長く歩ける。それを実現しているのは、こんな技術が注ぎ込まれているからなんです。
その前に
カプラってどんなシューズ?
スピードハイキングをテーマに開発されたシューズです。軽さと適度な柔軟性を備えており、野山を軽快に歩くことが得意。現在のラインナップは5モデル。さらに、水の中まで歩ける水陸両用も2モデルがラインナップしています。
だから快適! カプラ、5つのポイント
1. 常識破りの「柔軟性」というコンセプト
従来のハイキングシューズは「しっかりした固めのソール」や「ある程度の重さ」などが必要とされてきました。それは、重い装備を背負っても足に負担をかけないためです。しかし、バックパックやクッカーなど、現代の装備はグッと軽量化されてきました。さらにスピードハイクになれば荷物は少なく、軽くなります。それならば、足運びに無理のないフレキシブルなソールと軽さを備えたほうが、より歩くことを楽しむことができるのではないか。こう考えたMERRELLでは、新時代のハイキングスタイルを見据えてカプラを開発しました。ハイキングシューズなのに軽く、柔軟性に富んで履きやすい。すべては「スピードハイク」という新しいハイキングスタイルにフォーカスすることから始まったのです。
ハイキングシューズとしてはかなりスリムなシルエット。いかにもスピードを感じさせるデザインは、さまざまな機能を盛り込んだ結果。決してこのアウトラインをめざしたわけではなかったそうです
2. 山羊からインスピレーションを得たアウトソール
アウトソールは直接地面に接するパーツです。その役目は、泥でも土でも岩でも、確実に捉えて駆動力を発揮すること。歩きやすい柔軟性に富んだアウトソールに与えられたのは、路面をつかむ力です。そのために開発されたのが、カプラのアイデンティティとなっているこのソールパターン。山羊のひづめからヒントを得た形状は、複雑な路面変化をしっかり受け止め、確実にホールド。「M Select™ Grip」 と相まって、頼もしいグリップ感を発揮してくれます。
山羊のひづめをモチーフにしたソールパターンは、アウトソールを自在にフレックスさせる、という思わぬ効果を生みだしました。不均等に配置されたラグも3.5mmという深さ。路面をしっかりとつかんでくれます
ロングハイクを意識したカプラ ボルト ミッド ゴアテックスでは、アウトソールの周辺にさらに柔軟性に富んだ素材をレイアウト。長く歩いても足の疲労を最小限に抑える工夫がなされています
3. 確実にパワーを伝えるミッドソール
「UNIFLY™ミッドソール」は、しっかりした剛性でシューズ内での足のポジションをサポート。歩行時の安定感を向上させます。このおかげで、上り下りのあるトレイルでもスピードに乗った軽快なフットワークを手に入れることができるようになりました。さらに、歩行時の衝撃も効果的に吸収。速度に乗った下りでも、路面からの突き上げを感じることは少ないでしょう。
4. 軽量感と通気性を追求したメッシュアッパー素材
運動量の上がるスピードハイクを意識して、アッパーには通気性に富んだメッシュ素材を採用。とは言え天候変化やぬかるみなどにも対処できるよう、GORE-TEX®を採用しています。またフィット感はかかとから甲にかけてという、動きの小さい部位で発揮。甲からつま先までの複雑な動きをする部位はゆったりルーズにして動きやすさと軽量感を与えました。
ゴアテックスを使いながらも、メッシュ素材を使うことで透湿性と放熱性をアップ。快適な履き心地を常にキープすることができます
5. ネオプレーン素材の履き口
シューズの履き口には伸縮性に富んだネオプレーン素材を配置。不快な小石の侵入を防ぎ、長時間のハイキングにもストレスを感じさせない配慮がなされています。歩き出したら止まりたくない。そんなスピードハイカーの気持ちにたった設計です。
- ほんとうに目立たない小さな工夫ですが、その効果は絶大。スパッツを着けようかどうしようか、と悩むことが少なくなります
カプラ ボルト ゴアテックス®シリーズ
優しい履き心地のスピードハイクシューズ
■カプラ ボルト ゴアテックス®
スピードを備えたハイキングシューズ「カプラ」シリーズ第三弾。ミッドソールの柔軟性を向上させ、エントリーユーザーからスペシャリストまで幅広く対応。
男性用:387g/25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
女性用:302g/22.5cm〜26.0cm
価格:16,500円+税
長距離を歩きたくなるミッドカット
■カプラ ボルト ミッド ゴアテックス®
「カプラ」シリーズ第三弾。ミッドカットとしてさまざまな気象条件・路面状況に備えた。それでいながらフットワークは軽いまま。スピードを備えたミッドカットとして注目される。
男性用:446g/25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
女性用:336g/22.5cm〜26.0cm
価格:18,000円+税
カプラ スポーツ ゴアテックス®シリーズ
タウンユースにもピッタリ
■カプラ スポーツ ゴアテックス®
アッパーにはシンセティックレザーとメッシュ素材を採用して軽量化。ミッドソールには高反発パッドを採用し、いっそう安定した足運びを実現。
男性用:411g/25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
タフで速い、高機能ミッドカット
■カプラ ミッド スポーツ ゴアテックス®
ゴアテックス®メンブレンを搭載して、完璧な防水性をマーク。アウトソールにはVibram®メガグリップを採用。タフさとスピードを兼ね備えたロングレンジモデル。
男性用:468g/25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
女性用:379g/22.5cm〜26.0cm
価格:21,000円+税
カプラ シリーズ
スピードハイクの常識を打ち破った記念的モデル
■カプラ
アッパーにはピッグスェードを使ってオーセンティックなムードを漂わせながら、山羊のひづめにヒントを得たアウトソールや、ビブラム™メガグリップアウトソールなどを採用。軽い足取りで、未知のエリアにアプローチできるスピードハイクモデル。
男性用:430g/25.0cm〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
女性用:331g/22.5cm〜26.0cm
価格:18,000円+税
カプラの詳細、購入についてはMERRELL公式サイトまで
http://www.merrell.jp