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激流・黒潮を越え検証! 果てしない長距離航海を成し遂げた祖先の冒険を追う
2016.06.15 Wed
約20万年前にアフリカで誕生した現生人類(ホモ・サピエンス)が、大海原や陸を越え日本にいつごろ渡ってきたのかご存知でしょうか?
はるか昔約3万8000万年前以降に、朝鮮半島〜九州の西ルート、サハリン〜北海道の北ルート、そして台湾~沖縄の南ルートという3つのルートを通って日本へたどり着いたという説が一般的です。
そのひとつ、南ルートの「台湾〜沖縄」を学術的証拠をもとに推定して復元した古代の草舟を使って航海し、祖先たちが挑んだ困難を検証する「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」が2016年に始動。第1回 長距離実験航海として来月7月に「与那国島〜西表島」の航海が実施されることになりました。
全長1,200kmにもおよぶ琉球列島では全域で3万年前頃の遺跡が確認されていて、祖先たちは定着するだけでなくあえて航海に挑戦していたとも考えられるのだそうです。
プロジェクトに参加するのは、人類学者や考古学者のほか、海洋探検家などを含めた20数名のチーム。総力戦で「日本人のルーツ」という謎の解明に挑みます。
「陸上動物である人類にとって、海の向こうの島はそもそも生活の場ではありませんでした。やがて原始的な航海術を発明した人々が大洋へと漕ぎ出し始め、地球上で人間が暮らせる場所が少しずつ広がっていったのです。
日本列島もその例外ではなく、ここには3万年以上前から目標が見えないほどの長距離航海を成功させた人たちがいたことが分かってきました。そうした祖先たちの偉大なチャレンジの謎を解き明かすための計画がこのプロジェクトです」とは、プロジェクトの代表を務める海部陽介さん(国立科学博物館 人類史研究グループ長)。
私たちの祖先は台湾と与那国島の間に横たわる世界の海でも有数の激流・黒潮をどんな冒険スピリッツで乗り越えてきたのでしょうか。1年を通じ一番海況が安定するこの7月日本人のルーツを探る大きな一歩がスタートし、さらに来年7月には本番である「台湾~与那国島」の冒険に着手するのだそうです。
この科学研究と冒険を合わせた「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」は先日モンベルの「第8回モンベル・チャレンジアワード」を授賞。最新の情報はプロジェクトの公式サイトおよびフェイスブックで随時公開していくそうです!