• アクティビティ

尾瀬で水遊び? 今年からスタートした、尾瀬エリア“初”のキャニオニングツアーに参加してみた

2017.08.18 Fri

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

 夏が来れば思い出す~♪ でおなじみの尾瀬といえば、夏は登山・ハイキング、冬はスキー・スノーボードが楽しめる自然豊かなエリア。このエリアで初となるキャニオニングツアーがスタートしたというので、さっそく体験してきました。

 冒頭にも書いたように国民的愛唱歌『夏の思い出』にも「遥かな尾瀬」と歌われていますが、現代では練馬ICから約2時間ぐらいで行ける案外身近な場所です。尾瀬国立公園として指定されているエリアは、多くの人々の努力により貴重な自然環境が保護されていて、日本の「自然保護の原点」とも呼ばれています。そして水芭蕉で有名な尾瀬沼の湿原や、燧ヶ岳、至仏山などの山々が蓄えた水は、幾筋もの美しい渓谷を成して大きな河川に流れ込みます。

 渓谷を使った水遊びキャニオニングやシャワークライミングは、同じ群馬県ではみなかみがメジャーですね。しかし、今年から尾瀬エリアに唯一のキャニオニングガイドカンパニー「FIELD EARTH(フィールドアース)」が誕生しました。このガイドカンパニーを主宰するのはスノーパーク尾瀬戸倉をベースに活動するプロスノーボーダーTAZ(タツ)こと龍美栄一さん。TAZさん自身、夏はみなかみで10年以上キャニオニングガイドとして経験を積んだベテランガイドでもあります。

 TAZさんに尾瀬でキャニオニングガイドを始めようとしたきっかけを聞いてみました。

「僕らはこのエリアのローカルでもありますし、尾瀬の自然の魅力をもっと知ってもらいたいと思ってました。尾瀬の渓谷はまさに手つかずなんです。しかも標高1,000m以上に位置する流域の上部には民家が存在しないので、天然水100%の透明度抜群のキャニオニングコースをガイドできるんです」

 私自身、スノーボードやハイキングで何度も訪れた尾瀬ですが、渓谷遊びは初めて。期待に胸を膨らませながら、いざガイドツアーへ。

 受付で代金と保険料の支払いを済ませブリーフィング。コースの概要や注意点、カラダの使い方やハンドサインなどを教わり、ウエットスーツに着替えます。ウエットスーツは子ども用から大人用まで各サイズ揃っていて、100kgオーバーのぽっちゃりさんでも着られるXXLサイズも用意されているそうです。ハーネスやライフジャケット、ヘルメット、ブーツまで全て用意されているので、持ち物は水着とバスタオルだけでOK。

 装備を着用したら車でコースまで移動。下車地点から少し歩いた後、スタート地点の渓谷まで下っていきます。スタートはいきなり高低差6mの大岩から滝壺へのダイブ? マヂっすか?! いきなりサブガイドの方がお手本ダイブ。

この高さ感、写真でもおわかりいただけますでしょうか?

 こ~え~。でもそれに続いて、参加者の方々も次々と飛んでいきます。で、自分の番。大岩の縁に立つと想像以上に高いです。ドキドキ感MAX。

「大丈夫。子どもでも飛び込んでますよ~」

 覚悟を決めて足からダイブッ! 
 ウワーーーーッ!!! 
 ザバーン
 ゴボゴボゴボ……
 ぷか〜
 ワハハハハハ!

 浮かんだ瞬間、なんか自然と笑っちゃってます。トロ場に向かって泳いで岸に上がると「もう一回行きますか?」とTAZさん。もちろんおかわり。今度はバク宙で……と思ってみたものの、やっぱり怖くて普通に飛びました。

 2回めのダイブをすると恐怖心はすっかり薄れて、同時に自分の実年齢も忘れて、すっかり童心に帰ってしまいました。自分でもおかしいくらい無邪気にゲラゲラ笑ってます。気分的には小学校6年生ぐらいの夏休みの気分です。

 その後は、滝のスライダーを滑ったり、ターザンみたいにロープジャンプしたり、滝の裏側に入ったり、3mぐらいのミニダイブしたりと遊び倒します。水温は18℃ぐらいで、結構冷たいのですが、動いてカラダがポカポカしてるせいか、この水の冷たさも心地いい。また激流に揉まれるのも楽しいですが、トロいところでプカプカ浮いてるのも気持ちいいのです。プカプカしながら水面から上を見上げると左右から迫ってくる木々とその隙間から見える空も美しくて、ずーっとこうして浮かんでいたいとすら思ってしまいました。



今回の体験を、写真と動画にまとめてみました

 コース長としては数百メートルですが、アクション性が高い上に、同じセクションを違う飛び方や滑り方でリトライできるので、終了地点に着いた時にはもうお腹いっぱいです。まるでひとつのスノーパークをいろいろなトリックで攻めるような楽しみ方なのです。やはりTAZさんたちのスノーボーダーとしての視点がガイドにも反映されているんでしょう。また、他エリアのように何社ものガイドツアーが重なって、ひとつの沢を滑るのに順番待ちなんてこともないので、終始テンション上がりっぱなしです。

 ガイドの指示を守って遊べば、お子さんから大のオトナまで安全に楽しめて、終始笑顔が絶えないFIELD EARTHのキャニオニングツアーで、ひと味違う夏の尾瀬を楽しんでみませんか?


キッズでも楽しめることがわかる動画をFIELD EARTHさんからご提供いただきました

 そうそう、FIELD EARTHからAkimama読者のみなさんに耳寄りな情報。予約時に「Akimama見た」と伝えていただいた方は、通常9,000円(税・保険込み)のツアー代金が、なんと2,000円引きの7,000円になります。ツアーは9月いっぱい開催される予定ですので、ぜひご予約の際は「Akimama見た」とお伝えください。

【補足情報】
 FIELD EARTHは尾瀬高原ホテルに隣接する場所に事務所を構えているので、宿泊とセットで楽しむこともできるようです。また尾瀬高原ホテルは、スキー場(スノーパーク尾瀬戸倉)の一角を夏場キャンプ場として使用できるように造成中とのことで、この秋プレオープン、来春には本格オープンをめざしているそうです。来季以降はキャンプ泊をベースにキャニオニングを楽しむなんてこともできそうですね。

スノーパーク尾瀬戸倉の第4リフト横の林の中をキャンプ場として造成中。常設のピザ釜も使えるようにするらしいですよ♪

取材協力/お問い合わせ:FIELD EARTH
(写真・動画=FIELD EARTH、渡辺信吾、大羽繁昭)

Latest Posts

Pickup Writer

ホーボージュン 全天候型アウトドアライター

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

森山憲一 登山ライター

高橋庄太郎 山岳/アウトドアライター

森山伸也 アウトドアライター

村石太郎 アウトドアライター/フォトグラファー

森 勝 低山小道具研究家

A-suke BASE CAMP 店長

中島英摩 アウトドアライター

麻生弘毅 ライター

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

宮川 哲 編集者

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

Keyword

Ranking

Recommended Posts

# キーワードタグ一覧

Akimama公式ソーシャルアカウント