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その美しさは四万十川以上!?「仁淀ブルー」で人気上昇中の仁淀川、夏の遊び方はこれだ!
2018.08.11 Sat
大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー
高知県の川といえば「日本最後の清流」四万十川ですが、いま注目を集めているのが仁淀川。その流れの美しさは「仁淀ブルー」と呼ばれ、2013年から5年連続で国土交通省の「水質が最も良好な河川」に選ばれています。
今年の春、その河畔(越知町)に「スノーピークおち仁淀川」がオープン。その恵まれた自然環境によりスノーピーカーならずとも楽しめるキャンプ場になっていますが、キャンプするだけではじつにもったいない。お届けしましょう、「仁淀川の野遊びはこれだ!」。スノーピークおち仁淀川(撮影:4月)
◆驚異の清流に出会う
観光サイトでは、「仁淀ブルーはここだ」とばかり、仁淀川支流の「安居渓谷」や「にこ渕(枝川川:現在アクセス不可)」が紹介されています。確かにそこは美しいけれど、山奥だし、8月になるとアブが多い地域。じつはもっとアクセスのよい「仁淀ブルースポット」があるのです。
①本村キャンプ場付近(越知町)
仁淀川本流のにごりは、筏津ダムの発電放水が原因。つまり、その発電放水口(鎌井田集落の上流にある)より上流は透明な川面のときが多い。なかでも本村キャンプ場(簡易トイレと水道栓1つのみ)付近は流れも穏やかで、川遊びに最適です。
アクセス/スノーピークおち仁淀川から県道18号を西へ約2㎞、車で2分。横畠橋を渡ると本村キャンプ場の看板あり。
②土居川(どいがわ:仁淀川町)
仁淀川の支流・土居川では、宮崎の河原キャンプ場(トイレと水道有)付近がおすすめ。キャンプ場の約800m下流には堰堤があり、そのバックウォーターでSUPを漕ぐのも楽しい。付近はお茶の産地で、キャンプ場対岸に「池川茶園 工房Cafe」があり、冷たいスイーツも楽しめます。
アクセス/スノーピークおち仁淀川から松山方面へ県道18号、国道33号・439号を車で走って20分。「木と人交流館 木どり屋」の看板が見えたら、そこに河原への道がある。駐車スペースあり。
③上八川川(かみやかわがわ:いの町)
高知市街からもっとも近い仁淀ブルースポット。川遊びするなら、上八川川と小川川が合流する広瀬キャンプ場(ただの河原)がおすすめ。
アクセス/県道18号から国道194号利用で、スノーピークおち仁淀川から車で20分。県道18号は一部狭小路なので注意。194号線を北へ走り、439号への分岐(広瀬橋への入口)を過ぎた先約60mに河原へ降りるスロープあり。
◆仁淀川のアクティビティはこれ
①カヌー・ラフティング
川のアウトドアの定番といえばカヌー&ラフティング。本村キャンプ場~鎌井田集落の区間(約3㎞)をのぞけば、仁淀川はカヌー初心者でも下れる穏やかな流れです。
カヌーツアーは越知町観光協会が運営していて、初挑戦の人でも怖くない区間を下ります。
ラフティングツアーはスノーピークおち仁淀川で開催。仁淀川の中流域で最も景観にすぐれる区間を下ります。
ラフティング、カヤックツアー共に3歳以上から参加可なので、ファミリーでも楽しめることでしょう。
②テナガエビ獲り
テナガエビは多摩川でも獲れたりしますが、仁淀川のやつは美味い! そして、潜って見つけて網ですくうという、爽快で血沸き肉躍る獲り方ができるのも、澄んだ流れの仁淀川ならでは。柄の短い玉網と水中メガネは必携ですが、入漁料はいりません。自由だ!
おすすめは上八川川の合流点から下流で、テナガエビの隠れ家となる「ジャガイモ~カボチャ大の石」がゴロゴロあるような川底がポイント。獲れたテナガエビは素揚げするか、塩茹で。
③フィッシュウォッチング
「川魚は警戒心が強いから近づけない」と思い込んでいるあなた、仁淀川で認識を新たにしましょう。川に入れば魚の仲間入り。アユやアマゴがすぐそばで泳ぐ姿に感動!
◆サイクリングの穴場
桜集落(仁淀川町)
仁淀川の源になる山並みには独特の景観が。それが「天空の集落」で、急傾斜の山肌や尾根に民家が点在しています。天空の集落を繋ぐ道までは少々きつい上りになりますが、「こんな暮らしもあるんだなあ」と見聞を広めるサイクリングが待っています。
寺村集落(左)と大板集落(右)(仁淀川町)
おすすめは黒森山(越知町と仁淀川町の境)の西から南にかけての、鹿森(ししもり)、桜、中村、寺村、深瀬、横畠中、本村集落を結ぶルート。ロードマップやGoogleマップには道が記載されていないので、国土地理院の地図を利用しましょう。
アクセス/国道33号・439・494号経由で、スノーピークおち仁淀川から車で5~30分。
今年7月上旬の豪雨は西日本各地に大きな傷跡を残しましたが、仁淀川流域の被害は少なく、今はもう普段通り。増水したことで川の石が洗われ、よりキラキラとした流れになっています。夏の仁淀川へぜひお越しください。
【文・写真=大村嘉正】