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【インタビュー】平山ユージがプロデュースする「ベースキャンプ」に新店舗の飯能店が誕生!
2019.02.20 Wed
河津慶祐 アウトドアライター、編集者
クライミングをしていて「平山ユージ」の名を聞いたことのない人はわずかだろう。クライミングで日本人はじめてのワールドカップ総合優勝や、2008年にアメリカ・ヨセミテにあるエルキャピタンの “the Nose” という難関ルートの世界最速記録更新、マレーシア・キナバル山でのルート開拓など、世界をまたにかけ、数え切れないほどの実績を残している。
そんな平山ユージさんがプロデュースするクライミングジム「ベースキャンプ」が、2月16日に新店舗をオープンさせた。1号店はロープクライミングとボルダリングができる入間店「Climb Park Base Camp」、2号店はボルダリング専用ジムの小竹向原店「Base Camp Tokyo」、そして今回オープンの新店舗はボルダリング専用ジムの飯能店「Boulder Park Base Camp」だ。
2月16日にオープンした新店舗の飯能店。初日、オープンを待ちきれないクライマーが列をなし、開店直後から大盛況であった。
では、簡単に店内の説明をしていこう。
まずいちばん気になるのは、どんな壁をしているかだろう。スラブ〜ルーフまでバラエティーに富んでいて、初心者から上級者までぞんぶんに楽しめ、さらにルートごと使うホールドの色が決まっているので、登っていて迷子になってしまうこともない。
(左上)ジムに入って右側にある壁。スラブからハングまで傾斜のバリエーションがあり、ルート数も多い。(右上)いちばん奥にあるハング〜ルーフの壁。高グレードが多く、中級者向け。(下)ジムの中央にある壁。リラックススペースが近く、ゆったりくつろぎながら登れる。
老若男女、初心者から上級者まで満足できるだろう。
(上)ジム内各所にあるリラックススペース。休憩したり、ストレッチしたりと、使い方はさまざま。(左下)休憩室には、レンジと自動販売機か設置してある。(右下)キャンパスボードのトレーニングエリア。広い!
敷地にたいして壁の割合が少なく感じるのは、リラックススペースを多くし、ゆったりくつろぎながら登ってほしいからだという。座って待っていられるスペースが多いので、まったりゴロゴロしながら登れる。
(左)飯能店の受付。開店直後は大忙しだった。(右上)受付奥にあるショップ。おすすめグッズやオリジナルTシャツを販売している。(右下)ジム前の駐車場。27台まで停められるそう。
受付後、靴のまま階段を登り二階にあがると靴箱があるので、ここで靴をぬごう。
(左上)靴箱の目の前にあるのが男子更衣室。(右上)奥に進むと女子更衣室がある。カーテンがかかっていて、中が見えにくくなっている。(左下)男子更衣室の中はこんな感じ。大小二種類のロッカーは鍵付きで安心。(右下)男子と女子の更衣室の間には有料の長期間用レンタルスペースがある。シューズなどいつも使うものを預けておくと、荷物が減って楽チン。
(左)一階の奥に手洗い場。そして裏にはトイレが。(右)二階には足洗い場もある。
撮影後、プライベートで登らせてもらったが、まず登っていておもしろい! これは画像と文章だけでは伝わらないだろう。どのルートもよく考えられていて一筋縄ではいかないのだ。登れた達成感だけではなく、“登れそうで登れない楽しさ” をこのジムで体験してみてほしい。
今回、さらに平山ユージさんへインタビューすることができた。新店舗の飯能店についてや、ジムクライマーへの思いなど、熱く語っていただいた。
—— 飯能店の特徴を教えてください。
飯能はアウトドアの玄関口みたいな場所なんですよ。なので、いわゆる人工壁、ジムでのクライミングがクライマーたちへ、その先にどういう夢を見させてあげられるのか、クライミングの目的がどういうことなのか、というのを感じさせてあげられたらいいなと思っています。「Feel the nature」ということで、自然を感じられる空間にしました。ジムに来るクライマーは人工壁で登ってますが、アウトドアで登ったり、いろんな発想に膨らんでいってほしいなと思い、店内にエルキャピタンなど外岩のパネルを飾っているんです。
—— ジムから外のクライミングに興味を持ってほしいということですか?
気づいてくれたらいいかなって。こんなフィールドがあるんだって。人工壁で登って、トレーニングして、どんどん上手になって強くなりますよね。そういったスキルみたいなものを自然の壁でいかしていってくれたら、それはいちばん健全だなって気がしています。今は時代だと思うんです。こういった人工壁でみんな始めるわけで。でも、それはひとつの入り口で、入り口の先にはやっぱり、その世界が広がっているはずなので、その世界をみんな感じ取って欲しいなと思います。
—— 店舗はまだ増やしていく予定ですか?
もちろんビジネスとしてもそうですが、新しいジムをつくってみたいっていう衝動みたいなものがあるんじゃないですかね。うまくいろんなもののバランスを考えて、数を増やして行くと思うんですけど、焦ってどんどんつくるっていうよりは、いいものをつくっていきたいです。あと、僕らから発信する内面的なものもあるとは思うんですが、むしろ、その土地からの影響だったり、その建物だったり、そこの地域に住んでる人だったりとか。ここなんてまさにそうですよね。いろいろそういうコンセプトをつくり上げる要素はあると思うので、そういったものの中で、これからもやってくんじゃないかなと思います。
—— 石松選手がボルダリングジャパンカップで優勝しましたね。これからもどんどんと若手の育成やマネージメントには力を入れていくんですか?
自分で何か直接教えているわけではないんですが、みんながクライミングを通して、どんどん人間的にも、クライマーとしても成長していくなにかお手伝いができればなと思っている。そういった意味で、マネージメントは自分のところでやっている中で、ものすごい重要なところだなと考えている。そういったところの協力は、自分の知っているノウハウですぐにできるなと思ったので、それで始めたっていうのがきっかけ。キッズに関しては、子どもたちがいちばんオリンピックに対する反応が強かった。夢を持っている子どもたちをベースキャンプとしても応援していきたい。
—— 最後に、読者のクライマーに向けて一言お願いいたします。
第一に、みんなにはクライミングを楽しんでほしい。クライミングを通して、いろいろ広がりがあると思うので、きっと、やっていくとどんどんいろんな人に出会ったり、楽しいこともあると思う。クライミングだけじゃない世界の広がりもあるんじゃないかなと思うんだよね。そういったところも含めて楽しんでください。
Boulder Park Base Camp【飯能/埼玉】
住所:〒357-0024
埼玉県飯能市緑町3-2
TEL:042-978-9450
営業時間:平日 12:30~22:30
土曜 10:00~21:00
日祝 10:00~20:00
定休日:なし(臨時休業あり)
アクセス:JR八高線・西武秩父線「東飯能」駅 東口より徒歩3分
西武池袋線「飯能」駅 北口より徒歩13分
利用料金などは公式HPにて