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ジャンスポーツ×Akimama 「奥多摩むかしみちサイクリング」。電動アシスト自転車と「ハチェット」で “むかし” をめぐろう。
2019.11.29 Fri
河津慶祐 アウトドアライター、編集者
若者に絶大な人気を誇るジャンスポーツ(JANSPORT)と、アウトドアカルチャーのニュースサイト「Akimama」のコラボイベントの第2回目が、11月17日に開催されました。今回のタイトルは……
JANSPORT×Akimama #ハチェットで行こう 秋のアウトドアツアー vol.3 「奥多摩むかしみちサイクリング」
電動アシスト自転車で、奥多摩の “むかし” が残る道を、ジャンスポーツがオススメする「ハチェット(Hatchet)」を背負いサイクリングします。ちょうど紅葉の時期での開催で、さらに雲ひとつない快晴。どんな絶景が待っていたのでしょうか。
暦でいえば立冬をすぎ、そろそろ秋から冬に変わっていく11月17日に、奥多摩でJANSPORT×Akimamaのイベントが開催された。寒さの心配もしていたのだが、当日はみごとな秋晴れ! 気象庁によると、奥多摩湖の気温は16.9℃を記録し、例年の平均気温より3.5℃も高かったらしい。とてもあたたかく、イベント日和の一日だった。
前回は、Akimamaでライターとしておなじみの森勝さんによる、南高尾のハイキングイベント。そして今回は、奥多摩駅すぐにあるレンタサイクル店「トレックリング(TREKKLING)」のガイドによるサイクリングイベントだ。
トレックリングは “CYCLING” と “TREKKING” の造語で、レンタサイクルとトレッキングで奥多摩地域の自然を楽めるコースを多数を用意している。
イベントは昼に、このトレックリング奥多摩店に集まるところからはじまった。参加者が集合し、まずはいちばんの目玉と言ってもいい、ジャンスポーツがいまイチオシのデイパック「ハチェット」選びを行なう。カラーバリエーションが豊富で、人数分しか用意されていない。そう、いきなり、好きな色のハチェットを奪い合うジャンケン大会が開催されたのだ! 勝った者の勝利の雄叫び、負けた者の悔しい呻き声、内心はっちゃけたいが淡々としている者、三者三様の盛り上がりをみせ、各自の元にハチェットが行き渡った。
じつは、このイベントは、参加費=レンタサイクル代程度であるのに、なんとハチェットのプレゼントまであるのだ。ジャンスポーツが好きで、すでに何種類も持っていて、という参加者が多く見られ、みな一様によろこんでいた。
出発前にみんなでポージング。ミニベロ(小径車)とあなどることなかれ。変速ギアと電動アシストでどんな道でもスイスイ進む。
出発前に、まずはスイッチの操作を教わる。アシスト機能にも強弱があるらしく、坂の傾斜、電池の持続時間、それらを考え強度を決めるといいようだ。その後、相棒となるヘルメットと電動アシスト自転車を選び、公道を走る上での注意点を教わり、ついに出発となる。
店を出発するとすぐに「わー、大きい!」という声があがる。目の前に、奥氷川神社にある樹齢700年、東京都でいちばん樹高があり、天然記念物に指定されている三本杉がそびえ立っていた。そのまま青梅街道を約2㎞ほどひた走り「奥多摩むかしみち」に入っていく。
今回サイクリングするコースは、トレックリング奥多摩店から「奥多摩むかしみち」を走行し、奥多摩湖で折り返すという、走行距離約20㎞、標高差約200mの道のり。これだけ聞くと、つらいイベントのように聞こえるかもしれないが、そこは電動アシスト自転車、登り坂というのも忘れてしまうほどの軽快さで、疲れることもなく奥多摩湖についてしまった。
江戸時代から存在する旧青梅街道と呼ばれていた険しい道が、明治32年に改修され、平坦になったのが、この「奥多摩むかしみち」なのだという。平坦、と書いたが、それでも多摩川沿いについた難所続きの道で、道中には、牛馬の通行の無事を祈った「牛頭観音」や、谷に落ちた馬の供養塔が点在している。
といっても、現在は道幅も広げられ、車の通行もできるほどになっているので安心してほしい。
(左下)「境の清泉」と呼ばれる湧水。東京の名湧水に選ばれている。キレイな水の証として、まわりにはワサビ田が広がっていた。(右)画像ではわかりにくいが、普通の自転車では登るのをためらうほどの急坂。電動アシスト自転車では座ったまま登れてしまってびっくり!
(左)先頭を走るのが、ガイドをしてくれたトレックリングの出口さん。「奥多摩むかしみち」は砂利道も走る。大人になってから、こんな道で自転車に乗ることがなくなったため「ハードだけど楽しい!!」という声が上がっていた。(右上)左側に写っているのが樹齢200年の巨木「いろは楓」。この樹の紅葉はとくにすぐれている、といわれているらしい。もう1〜2週間で見頃だろうか。(右下)渓谷沿いは極彩色の木々が続く。
4.5㎞ほど進むと、しだくら橋がある。この橋がかかっている惣岳(そうがく)渓谷も絶景の名所だ。みな、高さと揺れで「こわい!」と叫びながらも、つい絶景を見ようと下をのぞき込んでしまう。
「惣岳の荒(あら)」と呼ばれ、巨岩と紅葉の木々が、あざやかなコントラストとともに、渓谷のうつくしさを見せている。
(左)渓谷の見晴らしがいい「西久保の展望台」。ここも紅葉スポットだ。(右)展望台の先にあるトンネルを抜けた先の橋からも絶景の見晴らしが。
ここからは青梅街道に出る。1㎞の登り坂で、途中長いトンネルも通過する。車の通行も多いので、要注意区間だ。
折り返し地点の奥多摩湖に到着! 天気も良くあたたかい。奥多摩のおいしいコーヒーと、お菓子が振る舞われ、ちょっとひとやすみ。
奥多摩駅二階の「Gotta Coffee(ガタコーヒー)」のドリップコーヒーと、お菓子「ゆずみそ煎餅」。休憩中は出口さんによる奥多摩豆知識で盛り上がっていた。ホタルの話や、ジビエ、渓流釣り……、気になる人はトレックリングへGO!
ジャンスポーツのハチェットは、気軽に楽しめる、週末のカジュアルアウトドアに最適なバックパックだ。筆者がこのイベントに持っていた荷物は、ノートPCに、防寒用のダウンジャケット、雨具の上下に500㎖のペットボトル、さらに振る舞ったコーヒー用に、ガス缶とバーナー、境の清泉でくんだ水が3.5ℓ入っていても、なお余裕があるほど。
サイドポケットに入れていたペットボトルは、砂利道ではげしく動いても落ちることはなかったし、フロントにあるループには、帽子やコップなど、すぐに使いたい物をつけておける。今回のような、カジュアルでオシャレなサイクリングにはピッタリだ。
参加者からは、
「背中のフィット感が良かった上に、負担がなく疲れなかった。自転車との相性がいい。」
「大きい開口部が好き。使い勝手がいい。」
「ポケットが多くて、たくさん荷物が入るし、見た目がかわいい!」
「カラーが豊富で、色違いを揃えたい!!」
といった声が上がっていた。
下りは、こがずともスピードが出るし、日も落ち始めているため、寒くなる。防寒着をきて準備万端。
小一時間ほど奥多摩の自然と、おいしいコーヒーを満喫。さぁ、復路だ。来た道を奥多摩駅まで一気に駆け下りる。なんと約30分で下りられてしまうらしい。
「あのスピードで下るのがスカッとした!」という参加者も。風を切るのは気持ちいいですが、ガードレールの向こうは崖なので暴走注意。
楽しい時間はあっという間。トレックリング奥多摩店近くまで戻り、もうおしまいかと思っていると、ガイドの出口さんが「一か所秘密の場所に行ってみましょう」と寄り道を提案してくれた。
さて、どこに行くのだろう、とついて行ってみると、そこは、いまにも動き出しそうな工場の真ん前だった。予定になかったサプライズにみな大興奮。「ハウルの動く城みたいでかっこいい!」とか「自然の渓谷と人工物がすごくマッチしてる!!」といった声が上がり、撮影タイムがはじまった。
この工場、ぱっと見は廃墟のようだが、まだバリバリの現役でフル稼働しているそう。山で採掘した石灰石の加工工場だという。
そして、トレックリング奥多摩店に戻り、イベントが終了した。
よく見ると、工場の設備にところどころ木がはえている。中で人の往来が見え、稼働しているのがわかる。
奥多摩は紅葉の時期もいいが、4〜5月の新緑の時期もいいというし、トレックリングには、今回の「奥多摩むかしみち」以外にも、奥多摩から青梅まで下る「癒しの裏道」「悠久の文化巡り」「青梅七福神巡り」というコースも用意されている。「奥多摩のことはなんでも知っています。おいしいごはんの店、温泉、穴場観光スポット。自転車のレンタルはせずとも、ぜひ気軽に店に立ち寄ってください。」と言ってくれてもいるので、ぜひ奥多摩に “ハチェット” を背負って訪ねてみてはどうだろう。
ハチェット
容量:28ℓ
重量:0.6㎏
サイズ:46×31×20㎝
素材:600デニールポリエステル
カラー:FIELD TAN/MUTED GREEN 他7色
※イベントでは現在販売されていないカラーも使用しています。
価格:11,000円+税
(写真=Chica Suzuki 文=河津慶祐)