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【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】①出産前後のカラダの変化
2020.02.25 Tue
マリコ トレイルランナー
子育てをしながらアウトドアを楽しむ女性を応援するAkimamaの、【山ヤの子育て】に続くアクティブかあさん奮闘記事第2弾。その名も【ママランナー現役復帰への道】。ライターは、ハセツネを13時間台で走る「マリコ」さんです。トレイルランニングだけでなく、冬はバックカントリーで3,000m近い北アルプスの山頂から滑っていたそうですよ。
ハセツネ(長谷川恒男カップ)出場時。ハセツネとは、約72㎞を24時間の制限時間で走るトレイルランニングレース。獲得標高は約4,500mにもおよびます。
はじめまして。2018年の夏に出産し、子育てをしながらランナーとしての現役復帰をめざしている1歳児の母、マリコです。出産前はトレイルランニング・登山・スノーボードを中心に毎週末、山に出かける山好き女子でした。
出産を経て、ライフスタイルは変わり、育休中のいまは朝から夕方まで公園へ出かけ、子どもと真剣に遊ぶ毎日を過ごしています。子育ては、とてもクリエイティブな仕事で、日々の成長や子との純粋なやりとりにやりがいを感じています。
とは言え、アウトドアがライフスタイルに食い込んでいる私は、自分のペースで自分の体を動かしたい気持ちがありました。こんなにも子育ては楽しいのに、フィールドで遊ぶ友人たちのイキイキとした姿が羨ましく感じてしまいます。そこで、欲張りな私は子育てとフィールド復帰の両立をめざす“自分らしいライフスタイル”の構築を目標としました。
私のように子育てとフィールド復帰の両立をしたい、Akimamaの読者さんには、同じような思いのママランナーは意外に多いのではないでしょうか? そんなみなさまへ、私がいかに子育てとランニングなどのアクティビティを両立していったかという軌跡を紹介していければと思います。
谷川岳での一枚。いまは子どもと共に登山を楽しんでいます。
妊娠中は、臨月でも6㎏増とあまり体重が増えず動けたため、転ばなければなにをしてもOKという主治医の許可を得た上で、9ヶ月までランニング(6:30~7:00/㎞)、臨月までパーソナルトレーニング(1時間/2週間)を行なっていました。体重制限を守っていたというよりも、身長が低いために胃が圧迫され、すぐに満腹になっていたためです。
マタニティランをしていたと書くと、『sex and the city』のシャーロットのようなキラキラとしたマタニティライフに見えますが、そうでもありません。妊娠後期でのランニング中は、膀胱が圧迫されているため、トイレを探しているのか、走っているのか、もはやわからないレベル。公園を周回するたびにトイレに寄り、行き帰りの道でもコンビニのトイレに寄る、という自分でも笑ってしまうような状態でした。
日本は妊婦=安静というイメージが定着していますが、主治医からは、じっとしているよりも運動していた方が安産の可能性が高いと聞いていたので、臨月には散歩がてら1日2万歩程度歩いていました。その効果なのか、30代初産でも産院に到着後6時間程度のスムーズな普通分娩ができました。
ランニング時の画像を撮っていませんでした。残念。これはパーソナルトレーニング中のワンシーン。
と、ここまでは順調だったのですが、出産後は、仙骨の違和感が拭えず、退院後にはすぐに鍼を打ってもらいました。診断としては、仙骨のねじれ。仙骨以外の体のダメージは少なく、動きたい気持ちを抑えて産後3週間は家でおとなしく過ごしていました。里帰り出産はしませんでしたが、体を動かすことといったら掃除程度の家事で、自分自身の状態がわかりませんでした。
仙骨:脊柱(体幹の中軸をなす骨格)の下方にある三角形の骨。5個椎骨が癒合し、骨盤の後壁をつくる。
仙骨のねじれ:妊娠中、徐々にお腹が大きくなるにつれ姿勢が悪くなったことが原因で、骨盤の真ん中にある仙骨がねじれてしまった状態。私の場合は、出産直後から1ヶ月の間、状態によって鈍い痛みがありました。妊娠中にお腹を腰で支え過ぎていたようで、出産後は元々の姿勢がわからなくなりました。その後の2ヶ月間は、運動しすぎると同じような鈍い痛みが伴いましたが、その後は、骨盤が戻ったせいか、痛みは自然と無くなりました。
産後1ヶ月を過ぎたころ、走りたい気持ちが抑えられず、ひとまず走ってみることにしました。産前に登録していた区の「産前・産後支援ヘルパー制度」を活用してベビーシッターさんを自宅に呼び、5㎞のジョグ。お腹が軽くなった分、走りやすく快適! 妊娠中と同じく、ゆっくりしたペースを意識し6:20/㎞ほどのスピードです。
がしかし、走り方がわからない。出産後、徒歩で外出した時ですら違和感があったので、当り前なのですが、身体がバラバラなのです。そこを無視すれば、走れるには走れました。久しぶりな自分だけの時間は開放的です。
ところが、走り終えた後に家の周囲でダウンジョグしていると……、覚えのある鈍い痛みが出てしまいました。出産直後の「じわー」っとした仙骨のねじれからくる痛みです。走りたい気持ちとは裏腹に、想像以上にダメージを受けている自分の身体にはじめて気付かされました。
妊娠中のトレーニングは必ず専門のトレーナーと行なうようにしてください。
産後の初ランニングから1週間後、痛みが軽減したのでまた同じシッターさんにお願いし、無理し過ぎない5㎞ほどを走ることにしました。走ると気持ちはスッキリします。走らなければ痛みは引き、走ると違和感という悪循環に陥りましたが、週末は夫に時間をもらい7~8㎞、平日はベビーシッターさんに来てもらい5㎞と、夫とシッターさんのおかげで産後2ヶ月間は5~8㎞/週2回のペースで走ることを続ける事ができました。フォームはともかく、5:30~6:00/㎞のスピードで走る事には慣れました。私は、自分の気持ちを優先しましたが、産後すぐにランニングをすることは、誰にでもお薦めできることではありません。今までの運動力や、妊娠中の状況にもよると思いますので、その点はご考慮ください。
産後2ヶ月、骨盤が戻りつつある状態で妊娠前から通っていた整体を予約しました。(出産直後では、靭帯が伸びきっている状態なので整体へ行く意味がない旨の話を伺っていました)次回は先生の診断です。
妊娠中の運動に関して、不安なママも多いと思いますが、日本産婦人科学会が発行している「産婦人科診療ガイドライン2017」によると、“順調な妊娠経過を送っている人は、健康なライフスタイルの一部として全身の筋肉を使い酸素を十分に取り入れる有酸素運動で、ウォーキング・水泳・ジョギング・エアロビクス等の30分以上の定期的な運動を推奨する” という記載があります。運動には個人差や自身の健康状態にもよるので、まずは主治医に相談してみてくださいね。