- アクティビティ
【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】⑤ベビーキャリアのススメ。ふだん使いで山力アップ!?
2020.10.06 Tue
マリコ トレイルランナー
「ベビーキャリア」とはどんなものか読者のみなさんはご存知でしょうか? かんたんに説明すると、子どもを安全・快適に背負うためのさまざまな工夫がなされているバックパック(ザック)です。
特徴は、おんぶひもとは異なり親子が密着しないため、熱がこもりにくく、腰ベルトで重量を肩と腰へ分散し軽く感じられるところ。おむつなどを入れておける容量のある荷物入れが備わっていて、たいていのものには子どもを直射日光から守ることができる取り外し可能な日よけ・雨よけも付属しています。
そもそもは、トレッキングなどのアウトドアアクティビティへ子どもといっしょに出かけるための手段として登場した商品です。スイスなどでハイキングへ行くと、子どもを背負って歩いている姿をよく見かけます。
私は、フルマラソンを走り終え、子どもがハイハイをはじめたタイミングで友人から古いベビーキャリアを貰いました。
私が持っているのは、ドイター(deuter)のキッドコンフォート2。おさがりなので少し古いものです。最新のベビーキャリアは、子どもの口まわり部分が取り外し可能で洗えたりするようです。
■ドイター/キッドコンフォート(KID COMFORT)
【重量】3,230g
【容量】約14ℓ(荷室部分)
【耐荷重】~22㎏(子どもと荷物の合計。個人差はありますが、4歳くらいまで使用できます)
【サイズ】H72×W42×D34㎝
【価格】41,800円(税込)
※現行品
私のベビーキャリアは背面が調整できるので、身長の低い私でも標準身長の夫と共有ができます。また、腰ベルトが厚すぎないため、腰が擦れることもなく心地いいホールド感です。取り外し可能な日よけ・雨よけで急な天候の変化にも対応できます(強い雨や風の場合は、雨よけ+雨具の併用を推奨します)。
ベビーキャリアはほかにも、モンベル(mont-bell)やオスプレー(OSPREY)、マックパック(macpac)などから発売されています。背負い心地は各ブランドでことなるため、購入前の試着を強くオススメします。
わが家は夫婦でバックパックの好みがことなり、夫婦喧嘩が勃発寸前だったので、おさがりをもらうという落としどころを見つけられてラッキーでした。
さて、このベビーキャリア、街で使用してる人を見たことはありますか? 私は、いままで数回しか見かけたことがありません。日常的に使用している人はあまり多くないのでしょう。ふだん使いしている私としては、もっとみんなに使っていって欲しいと思っています。
こんな感じで使用しています。私は小柄なので、バックパックに背負われている感が否めません……。
まず、トレーニング好きな読者のみなさんへのオススメポイントから紹介します。
①僧帽筋(そうぼうきん)のトレーニングができちゃう?
首のうしろから背中にかけて、肩甲骨を覆っている大きな筋肉で、バックパックを背負う際にも使用。この筋肉が弱いと背中や肩に負担がかかります。
山でひさしぶりに重たい荷物を背負うと肩や腰がとても疲れることがありませんか? ふだんから重たい荷物を背負い、鍛えておくと登山やトレイルランニングする際にも有効で、楽に動くことができます。プロスキーヤーであり登山家の三浦雄一郎氏もかつて「アンクルウェイト&バックパック20㎏」で都内を歩いていたといいます。ベビーキャリア+子ども+荷物(着替えやオムツセットなど)を合計すると、たいていは10㎏以上。これで同様のトレーニングができます。ちなみに、わが子はもう12㎏。12㎏+2.7㎏+荷物=15㎏オーバーでかなりハードなトレーニングに……。
②自分の姿勢を意識できる!
前述した重さのため、姿勢を正して歩かないと腰や膝を痛めてしまいます。いやでも姿勢を意識せざるを得ません。私は猫背になりがちなので、背筋を意識して歩くことができました。
まず、足と体をまっすぐにした姿勢を意識しましょう。このとき、極端に膝や腰に頼らないように注意(とくに妊娠中、大きなお腹をかばうために姿勢が乱れたままの人は、まっすぐな姿勢を意識してみてください)。お尻に力を入れて、軽く腿上げするつもりで一歩を踏み出します。少し早いリズムでテンポよく足を点でつき、つぎの一歩も同じ要領で踏み出していきましょう。
(専門の先生より)
日常的に使用することで、①+②=「タイミングが訪れたら、すぐにでも山に行ける心と体の予行練習」となります。つねに本番へ備える、のイメージですね。
実際に、ベビーキャリアで何度も日帰り登山へ行きましたが、日ごろから使っていたとしても、ウルトラヘビーなバックパックを背負っての登山はそこそこハード。ですが、トレーニングしていたため安全に安定して登り切ることができました。登山道は危険がいっぱいで、ふらついて転んでしまうなんて持ってのほか。トレーニングの効果が出ました。もちろん、筋肉痛もなしです。
1歳の夏に2人で白馬の八方池周辺までハイキングへ行きました。リフトに乗車するときは抱っこ紐に切り替えて乗車。母の背中から白馬の絶景を楽しんでいましたよ。
では、そのほかのベビーキャリアのオススメポイントも紹介していきますね。
①子どもが喜ぶ
ベビーカーとは異なり、大人と同じ目線で景色を見れるのでとにかく喜びます。そして、距離が近いのでたくさんお話ししてくれんです。子どもの顔が見たいときには、腰ベルトに入れておいた樹脂ミラー(割れない鏡)でアイコンタクをとると、さらに盛り上がります!
②大人のペースで移動できる
ベビーカーにありがちな「エレベーター探し」をしなくても、階段やエスカレーターなどを使用し、大人と同じペースで移動ができます。地下鉄駅などで、エレベーターでのアクセスの悪さに困惑したママは多いのではないでしょうか? その問題、ベビーキャリアで解消出来ますよ!!
③両手があく
すべての荷物は背中なので、両手を自由に使えます。これは、かなりのストレスフリーです。たとえば、雨の日にベビーカーを押しながら傘を差すことってむずしくないですか? そんなときに重宝します。
④歩いているだけでいろんな人に、声を掛けてもらえる
八百屋さんで、スーパーで、駅で、もうビックリするくらい褒めてもらえます。「お母さん、かっこいいね。お子さん、かわいいね」「私もむかし使っていたわよ」など。これは、かなりテンションが上がります。
いかがでしょうか。子どもとの移動手段としても、「ながら」トレーニングとしても、毎日の生活のなかで自然にできれば、そんなにいいことはないですよね。
ミラーを使うと、子どもがどこを見ていて、なにに興味を示しているのか、寝苦しい体勢じゃないか、などを確認できます。タイミングが合えば、かわいい寝顔にも出会えます。
最後に、ベビーキャリア使用時の注意点をお伝えします。
・ベルトを閉め忘れたりゆるかったりすると、背負っている人が前かがみや姿勢を変えるときに、不安定になって子どもが落下する危険があるので注意しましょう。
・子どもが突然、体をひねったりすると重心がかたよるため、バランスを崩さないように細心の注意が必要です。登山やハイキングではストックなどの活用がオススメです。
・子どもは背負われているのみで動かないため、春~冬は大人が感じる以上に寒く、夏は暑いです。熱中症などの危険が伴いますので子どもの様子をつねに気を配りましょう(ポケットに樹脂ミラーを入れておくことがオススメ)。
・子どもを高い位置で背負うため、木の枝や天井など高いところにも注意が必要です。
わが家ではべビーキャリアに名前をつけています。「でかけるから、**号(子どもの名前)乗るよ~」と声を掛けるとはしゃいで近寄ってきます。子どもが喜んでくれると、うれしいですよね。
子どもとの移動手段のベビーカーや抱っこ紐などにそれぞれ長所・短所があると思いますが、選択肢のひとつに「ベビーキャリア」を入れてみませんか? ついでトレーニングができますよ。
ふだん使いにオススメのベビーキャリアですが、旅行の際にもとても便利です。旅行時、ベビーカーを持ち運ぶのは大変ではないでしょうか? また抱っこ紐だけだと少し頼りないでしょう。そんなときはベビーキャリアの出番です。飛行機でも預けられますし(サイドポケットの荷物は取り出す必要があります)、新幹線では荷物置き場に置くこともできます。わが家の旅行の定番はベビーキャリア+モンベルのポケッタブル ベビーキャリアです。
⬛︎モンベル/ポケッタブル ベビーキャリア
軽量・コンパクトに収納できるポケッタブル仕様のベビーキャリア。年齢と状況にあわせて「抱っこ」と「おんぶ」を使い分けられます。
【重量】372g
【適応範囲】対面抱き:腰がすわってから(6ヶ月くらい)~13㎏(24ヶ月くらい)/おんぶ:腰がすわってから(6ヶ月くらい)~15㎏(36ヶ月くらい)
【収納サイズ】高さ15×幅22×奥行き7㎝
【価格】6,490円(税込)
※ベビーキャリアもポケッタブル ベビーキャリアも、腰がすわった子どもから使用することができます。腰や首が不安定な赤ちゃんへの使用は危険です。かならずブランドが指定している年齢から利用してください。