よっ、現場主義道具考 其の参 〜ロープワークの巻〜 第壱回
2014.09.19 Fri
ロープワークの本は買わなくていい?
ロープワーク覚えたいという方はけっこういらっしゃるようです。でもロープワークの本を購入したり、誰かに教わってみても「覚えられない」「すぐに忘れてしまう」というお声もよく耳にします。その原因は、使う場面がわからないのと、いろいろなロープワークを覚えようとしていっぱいいっぱいになること、これがほとんどなんですね。
使う場面については、本当はいくらでもあるのに気づいてないだけなんです。例えば巻き結び(クローブヒッチ)。このロープワークを生かせる場面は、アウトドアやイベントの現場はもちろんですが、日常生活にも腐るほどあります。資源ゴミに出す雑誌や段ボールの結束、荷物の梱包、袋の口の結束、確保した容疑者の拘束などなど枚挙に暇がありません。余談ですが「踊る大捜査線 THE MOVIE 3」で青島刑事がビルの屋上の手すりにホースを結びつけて下の階に突入しようとしたとき、ちゃんと巻き結びしてたのを私は見逃しませんでした。
もう一つ、いろんなロープワークを覚えようとして結局覚えられない欲張りさんには、あえてこう助言します。「巻き結びともやい結び以外は覚えなくていい」と。こんなことを言ってしまうと、ロープワークの本が売れなくなってしまうと怒られそうですが、巻き結びともやい結びを目をつぶってでもできるようになったら次のロープワークに進むぐらいでちょうどいいんです。だったら買った本も無駄にならないですね。実際のところ私たちが現場で使うロープワークも、せいぜい5種類ぐらいなんですよ。
まずは巻き結びをマスターせよ
さて前置きはこれくらいにして、もっとも使用頻度の高い巻き結びを、動画を交えながら色んな角度で紹介したいと思います。
まずは、基本形。
巻き結び(1)
いかがでしょう? 「こんなに簡単でいいの?」とお思いかもしれませんが、実に便利。細めの木や枝、ポール、手すりなどにロープを括り付けるときなど使う場面はいくらでもあります。
巻き結び(2)
結び方は違いますが、結び目は同じ形になるんです。この巻き結びは、杭やペグ、カラビナ、薪の束など、輪を通せる形状のものならこの方法が簡単です。
「なるほど、今度キャンプに行ったときに使ってみよう」と思うと実は忘れてしまいます。ですので、日常生活で常に使うことをオススメしたいです。では実際に巻き結びを使った日常生活の場面をご覧ください。
巻き結び(応用編)
動画の中でも説明していますが、巻き結びは引っ張れば引っ張るほど結び目が締まるので簡単に緩みません。でも力のかかり方を変えてやるだけでかんたんに解くことができるという非常に使い勝手のいいロープワークなんですね。
これが使えるだけでもかなり重宝しますが、巻き結びを応用したロープワークがたくさんあります。例えば、木にロープを結びつける時にふた結びというロープワークを使います。実はこのふた結びも巻き結びでできています。さらにこのふた結びを覚えると自在結びまでできてしまうのです。
次回は、ふた結びや自在結びについてご紹介します。お楽しみに!