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よっ、現場主義道具考 其の壱 ~ハンマーの巻~

2013.04.08 Mon

われらの相棒
キャンプハンマー

フジロックのキャンプサイト。

テントひしめくフジロックのキャンプサイト。これだけのテントを立てるのに、どれだけのキャンプハンマーが振り下ろされたことでしょう

 続きまして、このハンマーについては熱く語らないといけないかもしれません。そのハンマーとはズバリ! “キャンプハンマー”です。

 キャンプハンマーとは単純にキャンプのときに使用するハンマーです。なので、たとえば玄翁でもボンゴシでもキャンプに持って行けばキャンプハンマーになるわけですが、なかなか両者のハンマーをキャンプ場で見かけることはありません。では、どんなハンマーがキャンプ場で活躍しているかと言いますと、“ゴムハンマー”や“プラスチックハンマー”などのライトハンマー(軽量ハンマー)です。こちらは略して“ゴムハン”や“プラハン”と呼んだりしますね。

 ゴムハンは先端が鉄塊の代わりにゴム塊になっていて両口タイプです。重量は300g前後、柄の長さは25~30cmほどです。最近では百円均一のお店でも扱っていますね。先端のゴム塊にはおもに黒ゴムタイプと白ゴムタイプが採用されています。これは叩く対象物に汚れを付着させたくない場合に白ゴムタイプを使用するという意味があります。黒ゴムタイプの場合、ゴム自体の黒い成分が対象物に付着してしまう場合があるのです。とは言ってもキャンプ場で叩くものにそうしたところまで気を配るものはないかと思いますが、「ペグの先が汚れるのは嫌だよ~」と思う人は白ゴムハンでバシバシ叩くことをおすすめします。

 プラハンは先端だけがプラスチックになっているものと、先端から柄の部分まで全体がプラスチックでつくられているものの2種類がメインです。重量はゴムハンよりも軽く、長さもほぼ同等なものが多いです。全体がプラスチックのものは重量わずか100g前後で、テントやタープを購入すると付属品として手に入れられることもしばしばあります。

 こうしたライトハンマーのメリットはまずいちばんにケガをしにくいという点です。家族や友人などがテントやタープの設営時に指などをケガしてしまっては楽しさも半減してしまうでしょう。とくにそういった遊び場では小さな子どもがテントやタープの設営を率先してお手伝いしてくれたりしますが、ケガだけはしてほしくありませんもんね。また重量も軽いものが多いので、荷物自体も軽くなり、荷運びの点でも少し楽になります。

 さて、メリットもありアウトドアでも日常生活でも非常に使い勝手のよいゴムハン、プラハンですが、どうしても避けられないのが“パワー不足”です。これは重量と大きく関係するところなのですが、たとえばペグを打つ場合、フィールドに石や砂利が多くペグが地面になかなか刺さらないときがあります。無理にパワーの少ないハンマーで叩くと、先端部分がすっぽ抜けたり、曲がったり、壊れたりします。これはケガにも繋がりかねません。またいちばん怖いのはペグの刺さりが甘く、突風によってテントなども飛んでいく場合です。おそらくテントの骨が折れたり、シートなどが破れたりするでしょう。これはその日だけですが家が壊れるのと同じことなので、本当にショックです。泣きたくなります。

石頭ハンマー

こちらが石頭ハンマー。頭の鉄塊の具合が、本気度を示しています。いよ、ハンマー界の若頭 !!

 なので、装備品としてここはひとつ“石頭ハンマー”(せっとうハンマー)を持っていきましょう。鉄塊重量約1kg、柄は30cmほどの言ってみれば「ハンマー界の若頭的存在」です。このハンマーはペグはもちろんのこと、その気になれば石や岩まで叩き割ることが可能です。ゴムハンやプラハンで地面と格闘するのもいいかもしれませんが、石頭ハンマーならその問題を即座に解決してくれるはずです。また、鉈を使った薪割りや、ちょっとした重量物の位置をずらす場合などにも活躍してくれます。持っていて損はなし! よろず相談所としては石頭ハンマーをおすすめします。ただ、小さな子どもに扱わせる場合はよく見ていてあげてくださいね。

 なんて言っているあいだにそろそろお時間がきてしまいそうです。おもに3つのハンマーしか紹介できませんでしたが、ハンマーの世界は本当に奥が深く、まだまだ書きたりません。人間が最初に開発したといわれる工具なだけに人類の英智がたくさん詰まっています。鉄塊と棒の出会いがぼくたちの生活をここまで豊にしてくれたのですね。開発者の原始人のみなさん、ありがとうございました。

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