- 山と雪
御朱印女子必見! 西日本最高峰の石鎚山に、マジ卍で登ってきました。
2019.09.03 Tue
西日本最高峰でもある石鎚山(1982m)は、四国山地の西部、愛媛県の西条市と久万高原町の境に位置し、古くから山岳信仰の対象として、修験道をはじめ、多くの人々の信仰を集めてきました。鋭くそびえ、切り立った山容から、霊山として崇められてきただけでなく、豊かで貴重な自然が残された石鎚山は、今も多くの登山者を迎えています。
〈えひめさんさん物語〉のイベントをきっかけに、愛媛にやってきた旅好きの茜と岬。今回ふたりの旅の最大の目的は、石鎚山登山。最近、始めたという御朱印集めのため、険しい山頂にある石鎚神社を根性でめざします。
明日になれば、私たちも登ることができるんだよ
なんで、今日はダメなの? 別に頂上まで登らなくても、下にも神社はあるんだからいいじゃん
石鎚山では、毎年、7月1日から10日にかけ、「お山開き」と呼ばれる夏の祭礼が行われます。石鎚神社は、諸願成就の神様で知られる石鎚毘古命(いしづちひこのみこと)を祀っており、その神の「仁」「智」「勇」という三つの御神徳を表した、三体の御神像があります。普段は本社に祀ってありますが、この期間だけ、三体の神像が先達に背負われて、頂上にある奥宮頂上社に祀られます。日本七霊山の一つである石鎚山で行われる古い神事とあって、お山開きには、全国各地から数多くの信者や登拝者が集まります。しかし、御神像が頂上に上がる7月1日だけは、山は女人禁制となり、女性は登ることができません。
ダメだよ、御朱印はちゃんとお参りした人しかもらえないの。石鎚山は山が神様なんだから、頂上まで行かないと、お参りしたことにはならないわ
それに今の時代、女人禁制って…伝統の重みを感じるわ。御朱印はスタンプじゃないもんね
今回私たちがめざしたのは、石鎚登山ロープウェイを使って中宮成就社(1,450m)から登る「成就社ルート」。このルートは、表参道と呼ばれ、ルートには、「試しの鎖」「一の鎖」「二の鎖」「三の鎖」と4箇所の鎖が掛けられた行場があり、修験道を体感することができます。頂上までの所要時間は、歩き始めから2時間半から3時間程度ですが、高所恐怖症の人や子どもは、無理をせず、鎖場を迂回する道もあるので、そちらからの道を行くのがいいだろう。
石鎚山をめざして、エイ、エイ、オーッ
ここから先は、神様の世界なのかな。神域に入るための、登山届みたいな切符が必要みたいだよ
登山口で神主さんが、エイ・エイ・オーッって、応援してくれるのは、かなりテンションが上がります
登ってくる人には、「お上りさん」。下ってくる人には、「お下りさん」って声をかけるんだね
ということは、私たちはこれから登るから「お上りさん」。 下ってくれば、「お下りさん」になれるんだね
ねえ、だんだん雲が出てきたよ。雨が降りそうだよ
かなり、修験感が出てきましたね。
あー、暑い。お上りさんは、しんどい。早くお下りさんになりたいわ
いよいよ、鎖場の登場です。この鎖場は、まだまだ序の口
最初は歩くよりも、アスレチックみたいで、写真とる余裕もあったんだけど
登るというよりも、鎖にへばりつく、といった方がいいかも
御朱印の道は、かなり険しいのね。
あー、二本足で歩けるって、すてき。
出たー、これが最後の三の鎖! もうほとんど、垂直です。御朱印集めは命がけなんです
やったー、ようやく頂上に着いたー。鎖から手を離すことができなくて、ほとんど写真を撮ることができなかったわ
初めての修験道は、辛く楽しい道のりでした。
頂上には、石鎚神社奥宮頂上社のほか、登拝者が宿泊する山小屋もあり、宿泊や休憩も可能。また、お守りやお札などの神アイテムも売っています。
頂上で、こんなにおいしいご飯が食べられるなんて、御朱印よりも、うれしいかも。あったかい味噌汁とご飯に、ここまでの苦労が報われました。
自分の足と手で、ちゃんと登りきった石鎚山でいただいた御朱印の重みは格別です。
御朱印をコレクターのように、ただ集めるのではなく、御朱印をいただくまでのプロセスこそが、とても大切だと実感した今回の石鎚山登山。鎖場という難所を一箇所も迂回することなく、遅くても確実に、誰の助けも借りずに登りきったことは、なんだか人生の歩みにも、似ているのかもしれません。天気が悪いなかでも、頂上で得られたささやかな幸せの温かさは、きっとこの先、忘れることはないでしょう。
▼〈えひめさんさん物語〉記事はコチラ▼