- 山と雪
【いまだからフィールドガイド】なるべく「密」を避けるアウトドアプランin 四国を紹介します!
2020.06.26 Fri
大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー
アウトドアレジャーにも「メンバーは少数、現地まで・現地でもあまり他人と接触しないよう」なんて声が聞こえてくる今日このごろ。となれば、「現地へは車やバイクを運転」「フィールドはスタート(駐車地)とゴールが同じか近距離」が好ましいわけですが、そこで注目したいのがループなルート。四国にはうってつけの山と川と海があります。
四国の「ループなルート」+「豊かな自然」+「密とは無縁」はここ!
【トレッキングは四国の屋根で】
その1■筒上山&岩黒山の8の字縦走(愛媛県西条市)
岩黒山からの筒上山(右のピーク)。
筒上山(1,859m)と岩黒山(1,745m)があるのは、石鎚国定公園の「第一種特別地域」「石鎚山系森林生態系保護地域のコアエリア」。登山者は少なく、森は原生的な姿のままに保護されています。石鎚山系の自然のベストがここに。筒上山は行場で、ロープや鎖、鉄製階段が設置された岩壁・岩稜があります。
★地図:登山するときは「山と高原地図56、 石鎚・四国剣山 東赤石山・三嶺」を参照。
土小屋→丸滝小屋→手箱越→筒上山→丸滝小屋→岩黒山→土小屋。コースタイムは約4時間30分。ほとんどの人は土小屋から石鎚山へ向かうので、あまり他人に会いません。ルートには、岩壁に設置された鉄製の階段(一部破損)や橋がある。石鎚山系の森林生態系がよく守られている山域。
その2■四国第2位の高峰・剣山(1,955m)でループ登山(徳島県つるぎ町)
次郎笈(1,929m)から見た剣山(左のピーク)。
登山リフトのある日本百名山なので一般観光客でも賑わう剣山。しかし、下の地図に記載したループなルートを選べば密を避け、登りごたえもある1日に。ブナ林、ミヤマクマザサの草原、白骨林など、剣山ならではの自然景観を堪能できます。
★地図:登山するときは「山と高原地図56、 石鎚・四国剣山 東赤石山・三嶺」を参照。
見ノ越登山口→西島→刀掛ノ松→行場→二ノ森→剣山山頂→次郎笈→西島→見ノ越登山口。コースタイムは約6時間。剣山系に多い白骨林。
【リバーパドリング(カヤック、カヌー、SUPなど)では巾着形をさがせ!】
■仁淀川(高知県越知町)
あの四万十川とならぶ高知県の清流仁淀川(越知町の日ノ瀬付近)。
清流で知られる仁淀川ですが、地形的には巾着形の蛇行が目をひきます。つまりループな川下りにはうってつけ。そのうち、本村キャンプ場→鎌井田放水口→日ノ瀬キャンプ場の区間は人の気配が少なく、自然が濃厚です。川下りの距離は約7㎞、ゴールからスタート地点に駐車した車までは約1.3㎞。
日の瀬キャンプ場の河原にゴールしたら、浅尾トンネルを歩いて本村キャンプ場へ戻る。本村キャンプ場~鎌井田放水口の間に1~2級の瀬が1つ(上画像)。鎌井田放水口の下流約800m先にある中州では、右の流れへ。その後、1~2級の瀬と、浅尾沈下橋の下流に瀬がある。渇水や大雨後でない限り、本村キャンプ場から鎌井田放水口までの透明度は高い。
【瀬戸内海でのパドリングは、尖った半島をめざせ】
■荘内半島と島々(香川県三豊市)
荘内半島には、瀬戸内海で貴重な遠浅の渚がいくつも残る。夏はちょっとばかり水が濁る(上画像みたいに)。
荘内半島は、白砂の浜、断崖絶壁、干潟、早い潮流、ひなびた漁村など、瀬戸内海の魅力が全部そろうフィールド。幅が狭い半島なので大浜集落からスタートして船越でゴールすれば、徒歩約15分で半島を横断してスタート地点へ戻れる。粟島など沖の島々へ漕いでいくのもおすすめ。注意したいのは潮の満ち引きによる潮流。とくに荘内半島先端の「三崎」付近は、潮が動くと川のような速い流れに。
大浜集落や船越では、車の駐車は往来の邪魔にならないところへ。画像の右手(西方向)の湾が大浜集落で、左(東方向)の湾が船越。平坦な道路がつないでいる。荘内半島の東に点在する島々。手前が粟島、右奥は志々島。