- 山と雪
雪がなくなったら全員負け? POWとCAJが勝利への戦略、共同提案書を発表!
2024.10.22 Tue
滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負
賛同企業のパネルを掲げるPOWの代表、小松吾郎さん(前列右端)と事務局長の高田翔太郎さん(前列左端)のほかソチオリンピックの銅メダルリスト、フリースタイルスキーヤーの小野塚彩那さんや野沢温泉スキー場の片桐幹雄さんなどが集まった。北極冒険家の荻田さんの隣にいるのがCAJの事務局長でもある筆者なのだが顔の大きさは完敗……
10月8日(木)、アウトドアブランドが軒を連ねる東京・原宿にあるBURTON FLAGSHIP TOKYOで、気候変動に対するアウトドアコミュニティからのアクション「VOICE from the OUTDOOR COMMUNITY」の記者発表イベントが開催された。これは「地球には冬が必要だ」をスローガンに掲げ、スノーコミュニティを中心に、気候変動から冬を守る活動に取り組む一般社団法人Protect Our Winters Japan(所在地:長野県大町市、代表理事:小松吾郎、以下POW JAPAN)が、 気候変動の影響を直接的に受けるアウトドアコミュニティと連帯して、政府のエネルギー政策に対する提言書を作成、気候変動を一般の人たちに認知させる新聞への意見広告、そして、賛同するアウトドアブランドの店頭でのコミュニケーションを通して、政策や社会に働きかけるアクションだ。
当日の信濃毎日新聞と北海道新聞の朝刊には「雪がなくなったら全員負け」という強烈なメッセージの一面広告が掲載され、BURTONの店頭にも一面広告と同じ巨大なバナーが掲示された。イベントにはテレビや新聞など10数社ものプレスが取材に訪れ、オリンピックの出場経験もある長野県山ノ内町の町長、平澤岳さんをはじめ、北極冒険家、プロスキーヤー、アウトドアブランド、スキー場経営者など、気候変動の影響を直接的に受ける様々な立場の人々が集まり、それぞれの立場から気候・エネルギー政策への共同提言に対してメッセージを発表した。
提言書の内容については画像をクリック
提言書はPOWとアウトドア関連企業が70社近く加盟するコンサベーション・アライアンス・ジャパンとの共同提案であり、提言書の作成には実際に影響を受けている企業や、最前線のフィールドを目の当たりにしているスキーヤーや登山家、研究者からの報告やコメントも掲載され、10月14日現在では149の企業・団体、786の個人やアスリートがこの提言書に賛同している。
提言書では、日本のエネルギー政策の基本的な方向性を示す「第七次エネルギー基本計画」策定を前に、NDC(温室効果ガスの排出削減目標)、エネルギー基本計画、GX2040ビジョンに掲げられた「1.5℃目標」に整合する政策の実施、エネルギー政策のを決める審議会や研究会の人選方法など、気候変動の影響を現に受けている人々の声を気候・エネルギー政策に反映させる仕組みづくりなどを求めている。提言書を作成したPOWとCAJではこれから、エネルギー政策に関与するウインタースポーツ議連や超党派の山の日議連の国会議員に本提言書を順次、手交する予定だ。
信濃毎日新聞と北海道新聞というスノーコミュニティを購読者にもつローカル新聞の一面に掲載された広告