• 山と雪

新潟・南魚沼市に繋がりのある人を増加させるユニークな雪上イベントに参加してみた

2025.03.28 Fri

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南魚沼平野を背に八海山ロープウェーでイベント会場へ
 日本でも指折りの豪雪地である新潟県南魚沼市は、新潟県南部の魚沼盆地に広がるエリア。ここでは市と繋がりのある人を増加させるというユニークなイベントを行なっているらしく、先日その体験で南魚沼を訪ねてみた。

 まず南魚沼市といえば誰しもが思い浮かべるのは「コシヒカリ」だろう。累積降雪量が10mを超えることも珍しくないという日本有数の豊富な雪によって育まれ、作られる品種のお米だ。
日本一と称される魚沼産コシヒカリはそのお米から作られる端麗な日本酒も有名だ

 どうやらこのコシヒカリが最近とんでもなく需要が増えたおかげで、南魚沼市のふるさと納税が70億円を超える勢いらしい。地方創生が叫ばれてはや10年以上が経ち、移住定住の政策も一般化してきたなかで、南魚沼市はふるさと納税という制度をうまく使って、人口が減っても財源をしっかり確保。その予算で南魚沼市のファンを増やすという政策を行なっている。

 そのもっともわかりやすい一例が、“滑り好き”のスキーヤーやスノーボーダーに狙いを定めたイベントだろう。豪雪と恵まれたフィールドがあるからこそ実現できる「バックカントリースキー/スノーボードツアー」! もちろん信頼できるバックカントリーガイドが案内してくれるツアーであり、決して付け焼き刃のなんちゃってではない。

 案内するガイドたち自身も多くが南魚沼周辺の雪とフィールドなどに魅せられて他の地域から移住をしてきた人たち。彼らを通して南魚沼市の魅力を聞きながら、なんと「無料で」ご当地パウダースノーをも楽しめるというのだから、参加しない選択肢はないというわけだ。

 今回はその体験ツアーの内容をお伝えしようと思う。

 まずは、オンラインで南魚沼市主催のセミナーに参加。これがツアー参加の必須条件だ。このセミナーでは南魚沼市の移住政策や現地の情報などを網羅した内容であることに加え、地元の皆さんが参加しているためとても詳しく市の政策を理解できてしまう。仕事は? 保育園の待機児童は? 医療の充実度は?など、暮らす上で不可欠な情報の“南魚沼市のリアル”が余すことなく見えてくる(ちなみに待機児童はゼロである)。

 そしてお次がお目当てのバックカントリーツアーだ。

 開催日当日、朝8時に八海山ロープウェーに集合し、まずは地元の皆さんを交えたいくつかの班に分かれて和気あいあいとツアーがスタートする(お互い滑り好きとしての共通言語があるので、話題に事欠かない)。
24-25シーズンに開催されたイベントの第2回目は、キッズも含む25名が参加

 滑る場所は実際にガイドたちが借りている八海山ロープウェー横の国有林の占有エリアだ。ロープウェーを利用しながら、3本のバックカントリーツアーが楽しく進んでいく。いつも開催が2月なので、大半がパウダースノーが味わえるのだそう。実際にこの日もかなり深い雪だった。
適度な湿度を含む、板で踏みごたえのある南魚沼の雪

 行動中も地元の皆さんと話をする機会が多く、雪の深い地域で生活することの大変さと、それに勝る魅力を生の声で聞くことができた。話題は学校や病院、買い物や日々の生活など多岐に渡り、地元の方から「南魚沼市は除雪態勢が整っているから、道路に雪があまりないんですよね」とか、「子供たちを自然の中で育てられるのが魅力なうえ、交通インフラが整っているので首都圏が結構近く感じる」なんて聞いてしまったら、スキーやスノーボードが生活の一部となる地で今後の人生を過ごすのもありなのでは……などとつい考えてしまうのだ。
お風呂に浸かるように雪に埋もれる参加者。楽し過ぎて移住の話忘れてしまっているかも(笑)

 現地の方の中には、子どもによいスキーライフを送らせてあげたいと40代で家族で移住した人もいたし、大学時代の先輩に誘われて地域おこし協力隊の隊員になったという熱心なスノーボーダーもいた。こういう人たちの声を聞くと、移住は決して高いハードルではないような気がしてくる。本当にいま住んでいるところが自分の人生を豊かにしてくれているのか、ふと立ち止まって考えてしまうほどだ。だって、みなさん南魚沼市の暮らしを本当に楽しんでおられるのだもの。
 今回イベントに参加することで南魚沼市とそこでの暮らしを知るよいきっかけとなった。今年はふるさと納税を南魚沼市にしてみるのもよいかもしれない!(お米不足だしね)

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